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2019.11.20

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【メッキ技能士直伝】硬質クロムメッキの特性と用途。高硬度・耐摩耗性を活かした産業向けメッキ技術の全貌

硬質クロムメッキは、「工業用クロムメッキ」とも呼ばれ、高い皮膜硬度と優れた耐摩耗性を持つため、機械部品や産業機器に広く利用されています。その硬度はHV750以上に達し、腐食や酸化に対する高い耐性を備えているため、過酷な環境下でも長期間使用が可能です。また、銀白色の美しい外観を持つため、装飾的な用途にも適しています。

1. 工業用クロムメッキと装飾用クロムメッキの違い

硬質クロムメッキと装飾クロムメッキは、同じクロムを使用するメッキ技術ですが、その目的と特性には大きな違いがあります。クロムメッキは大きく分けて装飾用と工業用の2種類があり、JIS規格では、皮膜硬度が750HV以上、膜厚が2μm以上のものを工業用と定義しています。

1.1 硬質クロムメッキ

硬質クロムメッキは、機械部品や産業機器の耐久性を向上させるために使用されます。主な特徴は、非常に高い硬度(通常HV750以上)と優れた耐摩耗性です。そのため、シャフト、シリンダー、金型など、摩擦や衝撃にさらされる部品に広く適用されます。硬質クロムは、数ミクロンから数百ミクロンの厚さでメッキされ、機械的特性の向上を重視しています。

1.2 装飾クロムメッキ

装飾クロムメッキは、美しい外観を追求した薄膜のメッキです。自動車の外装や家電製品など、見た目が重視される部品に使用されます。メッキの厚さは非常に薄く、基材を保護しながら美観を引き立てます。しかし、皮膜が薄いため、硬度や耐摩耗性はあまり高くありません。

このように、硬質クロムメッキは主に機能性を重視し、装飾クロムメッキは外観の美しさを重視したメッキ技術です。

2. 硬質クロムメッキの特徴

2.1 皮膜の硬度

硬質クロムメッキは非常に硬く、通常は800〜1000 HV(ビッカース硬度)に達します。この高硬度により、摩耗に対する優れた耐性を持ちます。

2.2 皮膜の耐食性

クロム自体の耐腐食性により、基材の金属を錆や腐食から保護します。

塩酸以外の酸、アルカリに対して腐食されにくく、非常に耐食性に優れた性質を持っています。

2.3 皮膜の耐摩耗性

クロムの表面は滑らかで摩擦が少ないため、機械部品の摩擦を軽減し、効率を向上させます。

2.4 皮膜の成膜

硬質クロムメッキは、必要に応じて非常に厚いメッキ層を形成できます。これにより、部品の寸法補正や修復にも利用されます。当社実績では200μm成膜の実績がございます。

3. 硬質クロムメッキ皮膜の性能

  • 融点:1890℃
  • 沸点:2200℃
  • 熱膨張:6.2×10-6 deg-1(20℃)
  • 熱伝導率:0.16 cal/cm・sec・deg(20℃)
  • 電気抵抗:18.9 μΩcm(0℃)

4. 種類及び記号

等級 記号 めっき厚さ(mm)
1級 MlCr1 0.002以上
2級 MlCr2 0.01以上
3級 MlC3 0.02以上
4級 MlCr4 0.03以上
5級 MlCr5 0.05以上
6級 MlCr6 0.1以上

5. めっき前後の加工方法の記号

日本工業規格(JIS)では、硬質クロムメッキに関する標準が定められています。

JIS H 8615ではメッキの厚さ、硬度、外観などの品質基準を規定しています。

めっき前 めっき後
バフ仕上げ 1BF 2BF
ブラスト仕上げ 1SB 2SB
グラインダ加工 1G 2G
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