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2019.11.12

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【メッキ技能士直伝】アルマイト被膜の成膜と寸法変化:知っておくべき重要な注意点

アルミニウムの陽極酸化(Anodizing)とは、アルミニウムの表面を酸化させることによって、耐食性や硬度、装飾性を向上させる処理方法です。このプロセスでは、アルミニウムを電解液に浸し、電流を流すことで酸化被膜を生成します。

1. アルマイト被膜の成膜の特徴

1.1 アルマイト被膜の厚みと硬度

アルマイト被膜の厚さは数ミクロンから数十ミクロンまで調整可能で、厚みが増すほど耐摩耗性が向上します。被膜の硬度は非常に高く、硬度計で測定すると約250〜500 HV(ビッカース硬度)になります。

1.2 アルマイト被膜の耐食性

アルマイト被膜はアルミニウム基材の耐食性を大幅に向上させます。特にアルコールや中性洗剤に対して優れた耐久性を発揮します。

1.3 アルマイト被膜の電気絶縁性

酸化アルミニウムは優れた絶縁体であり、被膜の厚さに応じて絶縁性が向上します。

1.4 アルマイト被膜の装飾性

アルマイト処理後の被膜は多孔質であるため、染色が容易です。これにより、多様な色合いの製品が作成できます。

1.5 アルマイト被膜の耐熱性

被膜は高温に対しても比較的安定しており、耐熱性が向上します。

2. アルマイト処理の寸法変化

2.1 アルマイト被膜の成長

アルマイト被膜は、アルミニウムの表面に生成されると同時に、基材内部にも浸透します。一般的に、被膜の総厚みの約半分が表面に成長し、残りの半分が基材内部に浸透します。

例えば、10ミクロンの被膜厚の場合、表面に5ミクロン、基材内部に5ミクロンが成長するため、寸法の変化は外側に5ミクロンの増加となります。


2.2 アルマイト処理による寸法増加

被膜の厚さに比例して、部品の寸法が増加します。一般的な陽極酸化処理では、被膜厚は5〜25ミクロン程度が一般的です。このため、寸法増加はごくわずかですが、精密部品の場合は考慮が必要です。

3. アルマイト処理による寸法変化の注意点

3.1 アルマイト処理設計段階での考慮

アルマイト処理後の寸法増加を設計段階で考慮することが重要です。特に、厳密な公差が要求される部品については、処理後の寸法変化を計算に入れて設計する必要があります。

3.2 アルマイト処理のクリアランスの確保

組み立て部品間のクリアランスを確保するために、アルマイト処理による寸法変化を考慮することが必要です。処理後に組み立てが困難になることを防ぐために、適切な余裕を持たせることが重要です。

3.3 アルマイト処理の被膜厚さの指定

処理業者に被膜厚さを明確に指定することで、寸法変化をコントロールできます。要求される機能や耐久性に応じて、適切な厚さを指定しましょう。

3.4 アルマイト処理の試作と検証

実際の量産前に試作を行い、アルマイト処理後の寸法変化を確認します。試作品を元に必要な調整を行い、最終製品の品質を確保します。

3.5 アルマイト処理重要部位の保護

寸法変化が許容されない部位(ねじ山や嵌合部など)については、アルマイト処理を避けるためにマスキングを行うことが有効です。

3.6 アルマイト処理寸法測定

処理後の部品寸法を測定し、設計通りの寸法であることを確認します。必要に応じて追加の加工や調整を行います。

寸法測定にはマイクロメータでの寸法測定の他にアルマイト被膜の測定において、渦電流式での膜厚測定があります。 渦電流式は一般的に使用される方法の一つです。渦電流式測定法は、非接触で迅速に被膜の厚さを測定できるため、品質管理や製造プロセスにおいて非常に有用です。

4. まとめ

アルマイト処理による寸法変化は微小ですが、精密部品や厳密な公差が要求される場合には注意が必要です。設計段階で寸法変化を考慮し、試作と検証を行うことで、最終製品の品質を確保することができます。処理業者との密なコミュニケーションも重要です。

5. 弊社のご案内

弊社(株式会社コネクション)ではアルミニウムの表面処理に関する全てのニーズに応える、信頼の技術と品質を提供します。弊社では、最新の技術を駆使して、耐食性、硬度、電気絶縁性、装飾性、耐熱性を兼ね備えた高品質なアルマイト被膜を提供しています。

アルマイト処理に関するご質問やお見積りのご依頼は、お気軽に弊社までお問い合わせください。専門のスタッフが親身になって対応いたします。

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