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2022.12.10

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【メッキ技能士直伝】パラジウムめっき基礎知識

金属パラジウムはプラチナ、イリジウム、ロジウム等と共に白金族に属し、大気中においては変色せず、耐薬品性に優れた貴金属です。

電子部品、工業用部品など広い範囲で利用されておりますパラジウムめっきの特徴をご紹介させて頂きます。

パラジウム金属の特性

白金属に属するパラジウムは融点1555℃、密度12.16g/cm3、ビッカース硬度HV250~300、面心立方構造の貴金属で、大気中においては変色せず、耐薬品性に優れた貴金属です。主な用途は、自動車の排ガスの触媒用途で利用されています。

自動車から排出される排ガスには窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素などが含まれておりますが、パラジウム金属を使う事で炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素に変換する事ができます。

パラジウムめっきの歴史

1885年に米国のPilet氏らによって白色Pd皮膜の生成法が特許が出願されました。

パラジウムめっきの光沢を出す浴組成についてはDevber氏により1978年に米国特許が出されました。

パラジウムめっきの特徴

パラジウムめっきを施すことで素材表面がパラジウム金属となりますので、パラジウム金属の特性を持たせる事ができます。パラジウムめっきは、白金族特有の高貴な色調を保ち、大気中では不錆、不変色、化学的安定度が高く酸及びアルカリに侵されません。

純パラジウムめっき膜は非磁性で、電気伝導性やはんだ付け性など優れていることから、スイッチ部品・コネクター部品等の電子部品一般に利用されています。

従来のパラジウムめっき皮膜は応力が高くクラックの発生により、厚付けが困難でしたが、コネクションでは純パラジウムめっきを厚付する事が可能です。

耐熱性評価試験

真鍮素材に純パラジウムめっき3μm処理を処理したものの耐熱性を評価した結果、250℃、120分の環境で変色は確認されませんでした。

TIME(min) 30 60 90 120
250℃

パラジウムめっきの用途

パラジウムめっきの用途としては、銅の拡散バリアとして利用されています。

例えば、銅系リードフレームやコネクタにおけるニッケル/金めっき仕様では、当初ニッケル5μm、金1μmのめっきスペックが要求されていたが、カニ路の高密度化に伴う細線化、極度の変形を伴う後加工への対応およびコスト低減の観点から、ニッケルめっきの薄膜(1μm程度)が進んでいます。

ニッケルめっきを薄膜化することで、ニッケルめっきに存在するピンホールにより銅の拡散バリアとしての機能は著しく低下します。

これを補うために、ニッケルめっき上に0.1μm以下の薄いパラジウムめっきを行う事で拡散防止ができます。拡散防止ができたことで最上層の金めっきを薄膜化出来、工業的用途の拡大に繋がりました。

以前はニッケルが高価であったため、ニッケルの代替え目的で使用されておりましたが、2022年現時点でパラジウム金属が高騰しており、以前のようにコストダウン目的でパラジウムめっきを使う事は無くなりました。

パラジウム合金めっき

以前パラジウムは貴金属の中で安価であることが魅力の一つで、接点材料などに使われておりました。また、耐食性の面でも有機ガスの存在下で絶縁皮膜を生成することが知られており(ブラウンパウダー現象と呼ばれています)広く利用されていましたが、パラジウム金属の高騰により、純パラジウムめっきでの使用ではなく、パラジウムと異種の金属との合金めっきに変更されることが出てきております。

耐摩耗性に関しては硬質金に比べ劣ってしまう部分などがある事からPdとNiを合金化することにより硬さが増し、耐摩耗性を改善することができます。

パラジウムめっきとその他のめっき皮膜の特性比較

特性 硬質金めっき 純Pdめっき Pd-Ni合金めっき
硬さ(HV) 160 315 520
密度(g/cm3) 17.3 11.7 10.7
耐熱性(℃) 150 450 380
電気抵抗(mΩ) 7.3 8.6 10
亜硫酸ガス
アンモニアガス

まとめ

パラジウムめっきについて解説してきました。以下まとめです。

  • パラジウムは大気中においては変色せず、耐薬品性に優れた貴金属です。
  • 主な用途は、自動車の排ガスの触媒用途で利用されています。
  • パラジウムめっきは非磁性で、電気伝導性やはんだ付け性など優れているます。
  • スイッチ部品・コネクター部品等の電子部品一般に利用されています。
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