2024.06.19
ブログ
【メッキ技能士直伝】化成処理とは? メッキとの違い、種類、特徴、用途を徹底解説!

表面処理と呼ばれる技術には、さまざまな目的があり、種類も幾つかあります。
よく知られている代表的な方法はメッキですが、他にもアルマイト処理や化成処理などがあります。
それぞれにどんな手法や特徴の違いがあるのか、本記事で詳しくご説明します。
また、化成処理の一つ、パーカー処理という手法についてはより詳しくご説明し、メッキやアルマイトとの違いも解説します。
パーカー処理とは何か?メッキとの違いは?などで疑問を持たれている方は、是非ご一読ください。
1. さまざまな表面処理
1.1. メッキ

表面処理とは、材料の表面にその材料とは別の特性を与える技術で、さまざまな種類があります。
よく知られた典型的な表面処理の例はメッキです。
メッキとは、材料の表面を金属の皮膜で覆う方法の総称です。
メッキの中にも、電解めっき、無電解メッキ、溶融メッキなど金属皮膜の生成方法に種類があります。
いずれの方法でも皮膜は金属となり、皮膜金属の性質を表面に付与することになります。
目的もメッキによってさまざまで、耐食性、耐摩耗性、電気的特性、熱的特性などの他、光沢を伴う見た目の向上に用いられることもあります。
金メッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキ、スズメッキなど皮膜金属の種類もさまざまで、皮膜の種類の数だけ性質や目的も異なります。
1.2. アルマイト処理

アルマイト処理は、アルミニウムの表面処理としてよく知られた方法です。
アルマイトとは、アルミニウム素材を電解液に浸すことで、アルミ表面を酸化皮膜で覆う技術です。
酸化皮膜は耐食性が強く、アルミニウムの耐食技術として広く用いられる上に、絶縁性も付与することができます。
硬質皮膜となる硬質アルマイトや、さまざまな色のバリエーションを選べるカラーアルマイトなど、アプリケーションとなる技術もあります。
1.3. 化成処理

金属表面に化学反応を与え、化学的に皮膜を生成させる方法を化成処理といいます。
金属を水溶液に浸したり、化学薬品を塗布することによって行うことが多いです。
皮膜自体は薄く、比較的簡単に処理ができる一方、耐食性などは限られた範囲しか付与できません。
しかしながら、この化成処理は実は非常に広く用いられる重要な技術です。
このあと、化成処理についてさらに深く解説をしてゆきます。
また、化成処理の中でもよく知られた方法であるパーカー処理について、詳しく説明します。
2. 化成処理の特徴と種類
2.1. 化成処理の特徴

化成処理にもさまざまな種類がありますが、化成処理を行った材料には、耐食性、塗装との密着性、電気伝導性、外観の改善などを付与することができます。
具体的な化成処理の種類と特徴については後ほど説明を加えます。
化成処理のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
・メッキや塗装に比べて低コストである。
・比較的簡単に処理することができる。
・有害物質の使用量が少なく、環境負荷が少ない。
一方で、化成処理には以下のようなデメリットもあります。
・皮膜が薄いため、メッキなどに比べると耐食性や耐摩耗性が劣る。
・適用できる金属が限られる。
・皮膜の外観が均一にならない。
以上のようなメリットとデメリットを勘案して、必要に応じて使用することが重要です。
2.2. メッキとの違い

同じ表面処理で、化成処理はメッキと何が違うのか、もう少し説明します。
メッキというのは、金属(または金属以外の物質の場合もある)の材料に対し、別の金属皮膜を付着させる方法です。
一方で、化成処理は金属の表面を化学変化させ、別の性質をもたせるだけの方法です。
したがって、既に述べている通り、化学反応させられる範囲内でしか処理することができません。
また、処理できる素材も限られてしまいます。
メッキの場合、より多様な素材に処理でき、その厚みも処理時間などに応じて厚くすることができます。
2.3. リン酸塩処理(パーカー処理)

ここからは、いくつか化成処理の種類をご紹介します。
化成処理にもさまざまな種類がありますが、中でもまずご紹介したいのはリン酸塩処理(パーカー処理)です。
パーカー処理はリン酸塩皮膜を生成させる化成処理の一種で、鉄鋼や鋳鉄に用います。
処理方法としては浸漬法とスプレー法があり、化成処理なので比較的簡単に処理を行うことができます。
処理後はグレー系の色に仕上がり、耐食性などの向上に役立ちます。
その他の特徴については後ほどもう少し説明します。
2.4. クロメート処理

クロメート処理は、クロム酸塩を用いて金属の表面に三価クロムの酸化皮膜を作るもので、亜鉛やアルミニウムなどに用います。
主にアルミニウム材や亜鉛メッキ品の表面を保護する目的で使われ、耐食性や耐摩耗性などを付与することができます。
2.5. 黒染め

黒染めという方法も化成処理の一つです。
黒染めとは、鉄鋼の表面に黒錆とも言われる四酸化三鉄を発生させる方法です。
この四酸化三鉄は苛性ソーダを多く溶解させたアルカリ溶液に鉄を浸すことによって得ることができます。
まるで黒く塗ったように真っ黒な色になりますが、実際は色を塗るわけではありません。
皮膜の特徴として耐食性があり、赤錆や腐食から鉄鋼材を守ることができます。
3. パーカー処理のプロセス

前で述べたパーカー処理について、もう少し詳しく解説してゆきます。
パーカー処理の処理プロセスは以下のとおりです。
・脱脂洗浄: 金属表面の油脂や汚れを除去します。
・酸洗: 錆やスケールを除去します。
・水洗: 酸洗後の残留酸を除去します。
・パーカー処理: リン酸塩溶液に浸漬またはスプレーし、金属表面にリン酸塩皮膜を生成します。
・水洗: パーカー処理後の余分なリン酸塩を除去します。
・乾燥: 乾燥炉で乾燥します。
4. パーカー処理の特徴と用途
4.1. パーカー処理の歴史

パーカー処理という名はなかったものの、リン酸塩皮膜処理は実は歴史が古く、古代エジプト時代から行われています。
1900年代にイギリスで最初に特許が取られ、そこから広く用いられるようになりました。
1915年にはアメリカ人のパーカー兄弟によって本格的に工業発展することになり、パーカー処理やパーカーライジングという名前で知られるようになります。
それから間もなくして、日本でも戦前から活用されている技術です。
4.2 パーカー処理の特徴

パーカー処理の主な効果は以下のようなものになります。
・耐食性向上: リン酸塩皮膜は、金属表面を錆や腐食から守ります。
・塗装の密着性向上: リン酸塩皮膜は、塗料との密着性を向上させ、塗膜剥がれなどを防ぎます。
・潤滑性向上: リン酸亜鉛皮膜の場合、潤滑性も向上します。
ただし、前述の通り、メッキほどの厚い皮膜を得られるわけではないので、耐食性はメッキと比べると限られたものになります。
その分、処理前後での寸法変化や重量変化は少ないです。
他にも、油の吸収性や保持性に優れており、耐摩耗性の向上も見込めます。
化成処理一般としても述べましたが、簡易で安価な表面処理方法で、環境負荷も少ないことはメリットの一つです。
4.3. パーカー処理の用途

パーカー処理は、自動車部品、銃器、家電製品、建築材料など、様々な用途に使用されています。
具体的な用途例としては、以下のようなものがあります。
・自動車部品: ボルト、ナット、スプリング、ギアなど
・銃器: 銃身、銃フレーム、トリガーなど
・家電製品: 洗濯機、冷蔵庫、エアコンなど
・建築材料: 構造用鋼材、ファサードパネル、屋根材など
5. まとめとお問い合わせ
5.1. まとめ

本記事では、表面処理の中でも化成処理、さらにその中でもパーカー処理についてご説明しました。
以下はそのまとめです。
・表面処理にはメッキ、アルマイト、化成処理などの種類がある。
・化成処理は表面を化学変化させることにより皮膜を得る方法で、表面に金属を付着させるメッキと比べて安価で簡易的な方法である。
・化成処理はメッキと比べて簡易的である一方、それほど厚い皮膜を得られるわけではないので、耐食性などはメッキより劣る。
・化成処理にはパーカー処理、クロメート処理、黒染めなどがある。
・パーカー処理とはリン酸塩の皮膜を発生させる化成処理の一種で、主に耐食性向上、塗装の密着性向上、潤滑性向上などの目的で行われる。
・パーカー処理は自動車部品、銃器、家電製品、建築材料などに用いられる。
5.2. 専門家へのお問い合わせや相談

化成処理やパーカー処理についても、導入の際は表面処理の専門業者にご相談ください。
弊社 株式会社コネクションにてさまざまな化成処理に対応しております。
りん酸マンガン処理(パーカーライジング:日本パーカー株式会社様商標)、各種クロメート処理(亜鉛メッキの後処理、アルミニウムへのクロメート処理:別名アロジン)、黒染め処理などの化成処理対応が可能です。
化成処理、パーカー処理の事なら株式会社コネクションへご相談ください。
ご質問やご相談は無料です。





