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2024.12.03

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【メッキ技能士直伝】初心者向けメッキガイド、不具合を防ぐための基礎知識

製品やものづくりに携わっていると、メッキという工程をよく耳にすると思います。

メッキとは表面処理の代表的なものなのですが、現代ではどのような金属製品にもほぼ必須となっています。


メッキとはなんなのか?どのような目的で行うのでしょうか?

塗装ではダメなのでしょうか?


実はメッキにはさまざまな目的があり、製品を格段にレベルアップさせてくれます。

例えて言うなら、裸同然の製品に服を着せるような工程です。

本記事では、メッキの基本的な知識とその目的や種類について、例を用いてわかりやすさ重視で説明します。初めてメッキについて調べたという方も、最後まで読んでみてください。


1. メッキとは服を着せるようなもの?

1.1.メッキとは

メッキという技術は、表面処理技術という材料の表面になんらかの処理を施す技術の一つです。

さまざまな理由やプロセスで決定される素材ですが、その表面の性質によっては、せっかくの機能や見た目が台無しになってしまうことがあります。


表面というのは、空気や水、他の素材と接して、その部分で反応が起こってしまったり見た目が変わってしまったりするからです。

したがって、他物質と接する表面は何らかの形で保護しておく必要があります。


木材などの材料なら塗装で済ましてしまうことも多いのですが、永続的に使用する金属材料の場合ですと、メッキという技術を用いる事ができます。

メッキとは、主に金属材料に他の金属皮膜を付着させる技術のことを言います。


メッキを施すことで素材を外からの反応など障害から守ってくれたり、見た目を良くしてくれる役割を果たします。

ちょうど裸の人間が服を着ることで、寒さや病気から身を守ったり、時にはきれいに着飾ったりするようなものです。


せっかく良い素材を使っていても、裸のままでメッキという服を着ていないと、その機能の良さは半減以下になってしまうこともあります。

メッキには目的に応じて様々な種類がありますが、本記事でそのいくつかをご紹介します。


1.2.メッキのやり方

塗装と違い、メッキは表面に何らかの形で別の金属を化学的に付着させ、簡単に剥離しないようにしています。

メッキにはいくつか、その付着のプロセスによる種類があります。

まず、よく行われる方法として、電気メッキが挙げられます。

文字通り電気を用いて皮膜を素材表面に付着させる方法です。

マイナス極とプラス極という2つの電極を用いて、素材と電極に電気を通すことで、素材が服を纏うようにメッキ皮膜が生成されてゆきます。

また、電極を用いず、化学還元反応という反応のみでこれをやってのける無電解メッキという方法もあります。

電気を用いないことから、電気を通さない素材でもメッキすることができることが大きな利点です。

他にも、溶けている金属に素材を漬け込み、それを冷やしてお菓子のコーティングのように皮膜を残す溶融メッキという方法もよく使われる方法です。

同じ金属皮膜でも方法が違うと性質も異なり、それぞれに長所短所があります。



2. さまざまなメッキの目的

2.1.普段着のような必需品?防食目的

メッキにはさまざまな目的があり、それによって種類分けされるということは先にも説明したとおりです。


皮膜の種類はちょうど、人でいうと着る服の種類の違いのようなもので、何を着るかによって目的が変わってくるのです。


メッキの最も典型的な目的として、防食があります。

防食とは、腐食から材料を守ることです。

鉄などは典型的なものになりますが、素材は材料を空気に剥き出しで放っておくと、腐食が進行してしまいます。腐食とは、素材が空気や水と反応して劣化してしまう現象です。


鉄製品が錆びてしまってボロボロになってしまうこともありますが、これも腐食です。

腐食すると素材は朽ちてしまい、崩れ落ちてしまったり壊れてしまったり見た目も残念なものになってしまいますよね。

防食メッキはこのような腐食から材料を守ってくれるので、材料の耐久性つまり長生きに大きく貢献してくれます。


ちょうど、人間が服を着ることで寒さや病気をせずに健康な生活を送れるようなものです。

せっかく作った物は長持ちしてほしいものですよね。

素材のままだとすぐにボロボロになってしまうものを、長持ちさせてくれる防食メッキは、普段着扱いで必須の工程にしたものです。

実際、世の中で普及している製品の多くは、早く錆びたりしないよう、防食メッキが施されています。


2.2.ドレスのように見た目重視?意匠目的

素材によっては、機能的には良いけど、見た目が殺風景になるものもあります。

機能を取るか見た目を取るか、人それぞれあるかもしれませんが、ならばということで機能を保ったまま見た目を良くしてくれるメッキもあります。

アクセサリーや時計などにはもってこいの話かもしれません。

光沢でキラキラ光った見た目を実現してくれるようなメッキです。

色としてはゴールドやシルバー、ブロンズ色などが主ですが、中には他の色のついたメッキを行うことも可能です。

このように、せっかく着る服だから見た目を良くしたいという要望にも、ドレスを着せるような感覚でメッキが行えます。

このようなメッキは意匠メッキと言ったりします。


2.3. 鎧のように素材を守る?硬度目的

素材の中には、機能は十分で製品としても100点だけど、表面が変形しやすいことなどが難点となる場合もあります。

例えばよく材質で用いられるアルミです。

アルミは軽いわりにそれ自体の強度も高く、私たちの生活の中にも多く用いられる素材です。惜しむらくはアルミは表面が柔らかすぎて、変形したり傷が付きやすいことです。

せっかく作ったもの、せっかく手に入れたもの、簡単に傷がつかないようにしておきたいものです。

そのような素材には硬度目的のメッキを施すことも可能です。

特に素材と素材が接するような部品に用いる場合、この硬度メッキはよく用います。

身一つでは傷つきやすい身体も、鎧を着ていれば守られるというわけです。

硬度メッキをすることにより、素材の機能や見た目を長く保つこともできますね。


2.4. RPGの装備品みたい?機能付与目的

ここまでの説明だと、メッキは素材を守るイメージが強いですが、それ以上の役割を果たしてくれることもあります。

素材の表面だけでも素材とは違う性質があると便利な場合もあります。

例えば、表面だけ電気を通したいのであれば、通電性が付与できれば便利です。

熱の特性などについても同じようなことが言えるかもしれません。

このような性質を付与する目的でもメッキは用いられます。

電気的特性や熱的特性、磁性、摺動性などです。

このことによって、素材特性以上の機能を部品に持たせることができるため、このようなメッキは機能メッキと言ったりします。

単なる服ではなく、RPGに出てくるような特別な効果のある装備をメッキを用いることで実現させることができるのです。




3. 代表的なメッキの種類

3.1.防食目的のメッキ

防食目的のメッキは多くの種類があります。

というより、防食はメッキの基本ともあるので、多くのメッキ金属は防食機能も兼ね合わせてもっていると考えると良いかもしれません。

例えば、鉄製品によく用いられるのは亜鉛メッキです。

亜鉛メッキは定番のメッキの一つで、よくトタンという名前で用いられるものです。

最初から亜鉛メッキをしてある鋼板も流通しているほどです。

他にも、スズメッキなども有効で、こちらはブリキという別名がついています。

また、ニッケルメッキやクロムメッキも、他の目的と防食目的を合わせた目的で用いられることがあります。


3.2.意匠目的のメッキ

意匠メッキにもさまざまな種類があります。

見た目というのは人の好みにもよりますが、多くの人が魅了されるのはゴールドやシルバーといった色でしょうか。そのため、意匠目的に金メッキや銀メッキを用いることも多いです。金色の時計やアクセサリーにも、金メッキを施しているものも少なくありません。

ただし、金メッキなどは意匠目的のためだけにあるわけではありません。

電気的性質や熱的性質で金メッキを用いることも多く、見えないところに金メッキを使う事例もあります。また、ニッケルメッキなどは光沢メッキや黒色メッキといった選択肢を取ることも可能で、美しい見た目という意味だけでなく、周囲の色に調和するような役割の色味もメッキで付けることができます。

ドレスの種類もたくさんあるので、メッキで見た目をこだわってみるのも、ものづくりの中で楽しい工程かもしれません。


3.3. 硬度目的のメッキ

硬度目的のメッキは限られたものになります。

例えば、アルミの表面を固くしてくれるメッキには、クロムメッキやニッケルメッキも用いることが多いです。

軽くて強いけど表面が柔らかいアルミ素材とメッキ技術を用いて、さまざまな部品の軽量化を実現していることは、ある意味で分野によっては定番のプロセスになっています。

クロムメッキもニッケルメッキも光沢を持った綺麗な見た目をしていて、重厚な鎧のような雰囲気を持っています。ニッケルメッキは特に、無電解ニッケルメッキという方法がより硬度が高くなります。


3.4. 機能付与目的のメッキ

機能メッキの代表例は銅メッキです。

銅という金属は特殊なもので、導電性と熱伝導性がいずれも非常に高いです。

したがって、電気的性質や熱的性質を銅メッキによって付与するパターンも多いです。

強度が必要な構造部品だけでなく、電子部品などにメッキを行うケースももちろんたくさんあり、銅メッキはその代表格です。

素材だけでは電気を通さないものでも、魔法のように表面を通電してくれるようになります。




4. メッキ業者というコーディネーターに頼ろう

メッキについてさまざま紹介してきました。

わかりやすさを旨として展開したつもりですが、難しい話もあったかもしれません。

メッキという工程には強い味方がいます。

メッキ業者の担当者です。

中には難しかったかもしれないこのようなメッキという分野を極め、最適なメッキ方法を提案してくれます。メッキについてはわかったけど、この内容では自分がどんなメッキを頼んだら良いのかわからない、という方もまずメッキ業者に連絡を取ってみてください。

そもそもメッキは非常に多くの種類があります。メッキ業者は、その中からコーディネーターのように素材に最適な服を着せてくれると思います。

弊社 株式会社コネクションのコーディネーターも、あなたのご相談をお待ちしています。




5. まとめ

メッキについてできるだけわかりやすく解説してきたつもりです。

以下はそのまとめです。

・メッキとは素材に服を着せるような工程で、さまざまな目的がある。

・メッキの目的には防食、意匠、硬度、機能付与などがある。

・メッキを行う際はメッキ業者に十分相談して決めることが勧められる。

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