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2020.02.28

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【メッキのプロ直伝】金属の腐食に悩む方必見!無電解ニッケルメッキが持つメリット10点

今、私たちの生活のあらゆるものにメッキが使われています。

近年、IT機器の需要が増していることに合わせて、利用が増加している無電解ニッケルメッキ。無電解ニッケルメッキを施すことで、素材の耐食性を高め、硬度も増します。

現在、無電解ニッケルメッキは、IT機械の製造機器や自動車、飛行機など幅広く利用されています。IT機器などに幅広く使われている金属素材が、アルミニウムです。

アルミニウムは、軽量で加工がしやすく、省エネにもつながることから、全世界で広く使われています。しかし、アルミニウムは便利な反面、腐食しやすいという弱点を持っています。

アルミニウムは腐食しやすく、白い粉がふいてきたり、黒く変色したりしてしまいます。しかし、このアルミニウム素材の弱点を補完してくれるのが無電解ニッケルメッキです。

無電解ニッケルメッキをすることで、腐食しにくくなります。

この無電解ニッケルメッキの持つ特性とメリットを詳しくご紹介します。


無電解ニッケルメッキとは?

無電解ニッケルメッキとは、文字通り「外部電源を使用しない」ニッケルメッキです。

「化学メッキ」(カニゼンメッキ)ともよばれ、文字通り外部電源を用いることなく、化学的還元作用によりメッキ処理する方法です。複雑な形状の部品に均一にメッキできるので、精密機械の部品などに適用され、近年多く用いられています。

「無電解」とは?

素材にメッキを施すには大きく3つの方法があり、それは

  1. 電気メッキ
  2. 無電解メッキ
  3. 溶融メッキ

です。

電気メッキとは、外部電源を用いて金属イオンを電子と結び付け、金属を析出させるメッキ方法となります。電気メッキは、電気を通す素材に対してメッキを施せますが、プラスチックやセラミックなど電気を通さない素材には直接電気めっきを施す事ができません。

これに対し無電解メッキは、電気を使わないで、化学反応によって生じる金属イオンでメッキができるというものです。つまり、電気を通さない素材にも使えるのが無電解メッキなのです。

無電解メッキの特徴とは

無電解メッキの特徴とは

  1. 電気を使わないため、金属以外の通電しない素材にも使える
  2. メッキの厚さが電気めっきに比べて薄い
  3. メッキの厚さが均一
  4. メッキされるものへの形状の影響が少ない

といったものがあります。

無電解ニッケルメッキ?カニゼンメッキ?どっち?

無電解ニッケルメッキは「カニゼンメッキ」とも呼ばれています。

これは、日本カニゼン株式会社が、日本で最初に無電解ニッケルメッキを広めたときに「カニゼンメッキ」という商品名を使ったからです。

「無電解ニッケルメッキ」というよりも、「カニゼンメッキ」という言葉の方がしっくりくる方も多いかもしれません。日本での無電解ニッケルメッキの使用の始まりが「カニゼンメッキ」だったからです。

無電解ニッケルメッキのはじまり

そもそも無電解ニッケルメッキの利用が始まったのはいつごろからでしょう?

無電解ニッケルメッキは1944年に偶然に発見されました。そして1946年、Brennerによる研究を端緒に無電解ニッケルメッキの利用が始まりました。

その後、無電解ニッケルメッキは実用化され、当時の小野田セメントが日本におけるライセンスを取得し1955年、日本カニゼン株式会社を設立。それから、日本でも無電解ニッケルメッキが広まっていったのです。

無電解ニッケルメッキのメリット、デメリットと特徴

自社の機器にも無電解ニッケルメッキを加工してみたいけど、そのメリット(長所)デメリット(短所)が気になるという人も多いのではないでしょうか? 無電解ニッケルのメリット・デメリットを紹介していきます。

無電解ニッケルメッキのメリット(長所)とは?

無電解ニッケルメッキのもつメリットは以下の通りです。

  1. 電気を使わないため、金属以外の通電しない素材にも使える
  2. メッキの厚さが均一
  3. メッキ皮膜にピンホールが少ない
  4. メッキされるものへの形状の影響が少ない
  5. 幅広い金属へのメッキができる
  6. さまざまな形状にメッキできる
  7. 硬度・摩耗性・耐食性に優れている
  8. 耐熱性がある
  9. はんだ付けが可能
  10. RoHS(ローズ)指令に対応(鉛フリー対応)

上記で挙げた無電解メッキの特徴に合わせて、無電解ニッケルメッキにはさらにメリットが増えます。外部電源を用いることなく化学的還元作用によりメッキ処理するため、電気メッキで見られるような局部的に膜厚が厚くなるということがないため、複雑な形状の部品にも均一な厚さのメッキができます。

膜厚が均一であることや硬度については、以下で詳しくご紹介します。

無電解ニッケルメッキの膜厚

無電解ニッケルメッキの特徴として、均一で薄い膜厚が可能だと言われています。

実際に、無電解ニッケルメッキの膜厚はどこまで均一なものが実現可能なのでしょうか?

こちらは、パイプにメッキ加工した際の当社実績です。

パイプの内径5mmという非常に細長いパイプに、無電解ニッケルメッキを施させて頂きました際の実績です。入り口付近の膜厚が15.20μm、パイプ中央部の膜厚が15.48μmでした。※どちらも内径の測定です。

当社の無電解ニッケルメッキであれば、精度の高い均一な膜厚を実現することができます。

無電解ニッケルメッキの硬度

無電解ニッケルメッキに熱処理を施すことで皮膜硬度を上昇させる事が可能です。

最大硬度は、HV900~1000に達し、ステンレスの約4倍の硬さとなります。

無電解ニッケルメッキ(electroless plating)の皮膜は、電気メッキで得られるニッケルメッキ皮膜に比べ硬い皮膜になります。ニッケルベースの皮膜に数%リンを含むニッケルーリン合金により、硬度が増すからです。

無電解ニッケルの皮膜硬度は400℃付近で最高硬度に達し、そこから緩やかに皮膜硬度が下がっていきますが、500℃でも800HVと非常に硬い状態をキープすることが可能です。

無電解ニッケルメッキ(ニッケルリン合金メッキ)の引張強さ、内部応力、磁気特性および皮膜構造などはリンの含有率によって大きく変化し、延性は皮膜中の含リン率11%の時に1.5~2.0%の最大伸びが得られ、この含リン率からずれると伸び率は減少します。

皮膜の密度はリンの含有率の増加に従って密度は減少します。

リンの含有率が10%以上のニッケルリン合金メッキは非晶質となり磁性を示さなくなります。

無電解ニッケルメッキのデメリット(短所)とは?

では、無電解ニッケルメッキのデメリット(短所)はどんなことでしょうか?

  1. 処理価格が安くない
  2. 低リンタイプは耐食性が劣ることもある

残念ながら、無電解ニッケルメッキの処理価格は安くはありませんが、価格以上の付加価値を感じて頂けると思います。

弊社では少ロット・1点からのご注文も承っております。また、使用環境・目的に応じた試作のご提供も可能です。

リンの濃度(パーセンテージ)は、ご希望に応じて選択いただけますので、ぜひご相談ください。

無電解ニッケルメッキの種類

無電解ニッケルメッキは、リンのパーセンテージによって、特性が変化してきます。

  1. 低リンタイプ(1~4%)
    耐食性が劣るが、ハンダ付性に優れる。磁性。
  2. 中リンタイプ(7~10 %)
    汎用性が高い。非磁性だが、熱処理を施すことで磁性。
  3. 高リンタイプ(11~12%)
    耐食性、耐酸性、耐塩水性に優れる。非晶質なため非磁性。

この3種類の無電解ニッケルメッキの特性については、こちらになります。

特性 低リン(1~4%) 中リン(7~10%) 高リン(11%以上)
密度(g/cm3) 8.5 8.1 7.9
難化温度(℃) 880 880 880
電気抵抗(μΩ-cm) 20~30 50~60 100
温度係数(μm/m/℃) 13 12 11
引張強さ(MPa) 200 800~900 750~900
テーバ摩耗試験(TWI) 10~12 15~20 20~25
鉄鋼上での応力(kg/mm2) 10 ±5 −5
耐塩水性(h) 24 200 1000
結晶構造(析出状態) 結晶質 非晶質 非晶質
結晶構造(熱処理後) 結晶質 結晶質 非晶質
磁気特性(析出状態) 磁性 非磁性 非磁性
磁気特性(熱処理後) 磁性 磁性 非磁性
硬度(析出状態) HV700 HV550 HV550
硬度(熱処理後) HV930 HV950 HV950
耐食性 普通 良好
耐摩耗性 良好 良好 良好
比抵抗(μΩ・cm) 30~60 60~75 150~200
ハンダ付性 良好 普通 普通

無電解ニッケルメッキをするとさびにくい?

無電解ニッケルメッキは、皮膜にピンホールが少なく、膜厚も均一であることから、素材を腐食環境から守りやすい表面処理です。

特にアルミニウム素材は、そのままでは腐食や変色が起こることがありますが、無電解ニッケルメッキを施すことで耐食性の向上が期待できます。

ただし、無電解ニッケルメッキにも種類があり、リン含有率によって耐食性は異なります。一般的には高リンタイプの方が耐食性に優れています。

そのため、単に「無電解ニッケルメッキなら何でも同じ」というわけではなく、使用環境に合わせた仕様選定が重要です。

まとめ 無電解ニッケルメッキで硬度・摩耗性・耐食性が向上!

無電解ニッケルメッキをすれば、 硬度・摩耗性・耐食性の向上 が可能です。

さらに、さまざまな素材、複雑な形状にも均一な膜厚でメッキができます。

はんだ付けができ、RoHS(ローズ)指令に対応(鉛フリー対応)しています。

デメリットは、

処理価格が電気ニッケルメッキに比べ安くはない

ニッケル以外のリンが皮膜に含まれる

これらが無電解ニッケルメッキのデメリットになりますが、これらのデメリットがありますが、それでも無電解ニッケルメッキを施す事で得られる価値があります。

当社では1点からの加工、試作も対応しております。また、低リンタイプだけでなく、高リンタイプ、中リンタイプにも対応しております。

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