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電気亜鉛メッキ
JIS H8610

​目次

1.適用範囲

2.引用規格

3.定義

4.種類及び記号

5.品質

 5.1 メッキの外観

 5.2 メッキの最小厚さ

 5.3 メッキの密着性

 5.4 化成皮膜の適用

6.素地

7.メッキ前の応力除去

8.メッキの水素脆性除去

9.試験

10.検査

11.メッキの呼び方

12.表示

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アンカー 2
アンカー 3

1. 適用範囲

この規格は,鉄及び鋼素地上に防食の目的で行った有効面の電気亜鉛めっき(以下,めっきという。)について規定する。

2. 引用規格

この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS H 0400 電気めっき及び関連処理用語 

JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法 

JIS H 8501 めっきの厚さ試験方法 

JIS H 8504 めっきの密着性試験方法 

JIS H 8625 電気亜鉛めっき及び電気カドミウムめっき上のクロメート皮膜 

JIS Z 9031 ランダム抜取方法

3. 定義

この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか,次による。 

a) 有効面 (significant surface)  被覆されているか又は被覆されるべきで,その被覆が主要な性能及び外観にかかわる部品の表面。 

b) 局部厚さ (local thickness)  指定面積内における指定測定回数の平均値 

c) 最小局部厚さ (minimum local thickness)  品物の有効面上において確認された局部厚さの最低値

アンカー 4

4. 等級,記号及び使用環境 

4.1 等級及び記号 

a) 等級 めっきの等級は,表1のとおりとし,めっきの最小厚さによって6等級に分ける。 

b) 記号 めっきの記号は,JIS H 0404による。 
 

4.2 使用環境

使用環境条件及び記号 使用環境,使用環境条件及び記号は,JIS H 0404による。 

参考 防食の目的でめっき製品を使用する場合,その使用環境を参考表1のとおり区分し,記号で示す。

表1 メッキの等級及びメッキの最小厚さ(μm)

参考表1 使用環境、使用環境条件及び記号

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5. 品質 

5.1 めっきの外観

めっきの外観は,9.2によって試験を行い,めっきの有効面に,ざらつき,焦げ,割れ,ピット,素地の露出などのめっきの欠陥,膨れ,はく離などの密着不良の徴候,さらに汚れ,きずなどがあってはならない。 

備考1. 外観の程度が指定される場合には,受渡当事者間の協定による。 

備考2. 有効面に通電用接点を取ることが避けられない場合には,その箇所の指定は受渡当事者間の協定による。 

5.2 めっきの最小厚さ

めっきの最小厚さは,9.3によって試験を行い,表1に適合しなければならない。 

参考 有効面について規定がない場合,直径20mmの球が接触しない面積は,有効面とみなさない。

また,有効面が100mm2未満の製品の場合,最小厚さは平均厚さの最小値とし,有効面が100mm2以上の製品の場合,最小厚さは局部厚さの最小値とする。 

5.3 めっきの密着性

めっきの密着性は,9.4によって試験を行い,めっきのはく離又は膨れがあってはならない。 

5.4 化成皮膜の適用

化成皮膜の適用は,受渡当事者間の協定による。 

備考1. 化成皮膜の中でもクロメート皮膜は,亜鉛めっきの耐食性を向上させる。亜鉛めっき上のクロメート皮膜の等級及び種類については,JIS H 8625による。 

備考2. 発注者の指定によって,クロメート処理を省略又は他の皮膜に代えることができる。

 

6. 素地

めっき前の素地の状態は,めっきの品質に重大な影響を及ぼす。特に,素地材料が発注者から供給される場合は,発注者は,加工仕様書などに,素地材料に関する情報を示さなくてはならない。

7. めっき前の応力除去

鉄及び鋼素地について,めっき前の応力除去が指定されている場合,その条件は,受渡当事者間の協定による。 

なお,対応国際規格に参考として記載されているめっき前の応力除去のための熱処理条件を附属書1(参考)に示す。 

8. めっき後の水素ぜい(脆)性除去

鉄及び鋼素地上のめっきにおいて,めっき後の水素ぜい性除去を行うことが指定されている場合には,めっき後,少なくとも4時間以内に熱処理によって,水素ぜい性除去を行う。熱処理条件は,受渡当事者間の協定による。 

なお,対応国際規格に参考として記載されているめっき後の水素ぜい性除去のための熱処理条件を附属書2(参考)に示す。 

9. 試験 

9.1 試験片の作製

試験片は,通常,製品から作製する。ただし,めっき製品それ自体を試験片として用いることができない場合には,代替試験片によって試験を行う。 

代替試験片の作製は,可能な限りめっき部品の作製と同じ材質の素地を用い,同じめっき条件で行わなくてはならない。 

9.2 外観試験

外観試験は,目視によって行い,ざらつき,焦げ,割れ,ピット,素地の露出などのめっきの欠陥,密着不良の徴候,汚れやきずなどの有無を調べる。 

9.3 厚さ試験

厚さ試験は,JIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法,磁力式試験方法,電解式試験方法,蛍光X線式試験方法,β線式試験方法,測微計による試験方法の中の触針走査法及び質量計測によるめっき付着量試験方法の中のめっき破壊質量法のいずれかによる。 

9.4 密着性試験

密着性試験は,JIS H 8504に規定する試験方法による。 

 

 

10. 検査

検査は,次による。 

a) めっきは9.によって試験を行い,5.の規定に適合したものを合格とする。 

b) 試験片は,同一部品のロットからJIS Z 9031によって抜き取る。 

備考1. 検査項目及び試験方法の選択に関しては,受渡当事者間の協定による。 

備考2. 試験片の数,検査順序及び検査対象箇所並びに試験片の代替使用は,受渡当事者間の協定による。

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アンカー 11

11. メッキの呼び方 

メッキの呼び方はJIS H0404による。

例1. 鉄素地上、電気亜鉛メッキ20μm

鉄素地上、電気亜鉛メッキ20μmをJIS表記で表した図

 
例2. 鉄素地上、電気亜鉛メッキ3級

鉄素地上、電気亜鉛メッキ3級をJIS表記で表した図
アンカー 12

12. 表示 

製品には,荷札,送り状(納品書を含む。)などに,次の事項を表示する。 

a) 規格番号及び種類又はその記号 

b) 加工年月 

c) 加工業者名又はその略号

出典:JISハンドブック

 

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