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【メッキ技能士直伝】黒色クロメートってどんな特徴があるのか詳しく教えます。

更新日:2023年8月30日

弊社で取り扱っております色んな黒色処理はこちらになります。


これらがありますが、一般的に寸法精度の厳しい内容での黒色処理をご希望されている場合にご提案させて頂く皮膜がこちら『黒色無電解ニッケルメッキ』です。


【黒色クロメートってクロムメッキと勘違いされるけど別の皮膜です。】

黒色クロメートってクロムメッキやクロメートメッキだと思われていることがありますが、黒色クロメート処理は実は亜鉛メッキの後処理なんです。

クロメート処理はChromate Conversion Coatingとして1935年にアメリカで開発された表面処理です。


クロメート処理の目的

  1. 亜鉛メッキの白サビ防止

  2. 外観の美観性

  3. 指紋やその他の防汚性


クロメートには光沢クロメート(ユニクロ)、有色クロメート(クロメート)、黒色クロメート、最近あまり使われませんが緑色クロメートがあります。


RoHS指令の関係上6価フリーの3価のクロメートが主な処理となっておりますが、耐食性の関係から6価のクロメートを指定される場合もございます。

※3価クロメートにもユニクロ、有色クロメート、黒色クロメートがありますが、緑色クロメートが対応できません。


【鉄素材限定の表面処理黒染めって】

黒染め処理はリン酸マンガン処理同様一般的にあまり知られていない表面処理です。

リン酸マンガン同様、鉄素材限定の表面処理で、安価に防錆処理したい場合に使われております。

黒染めの皮膜は四三酸化鉄(FeO3)の皮膜となります。


外観は黒色の皮膜ですが、油塗布した状態で黒色の外観ですが、油を拭き取りしますと防錆力が劣る皮膜となります。


鉄の鋳物などに黒染め処理を行いますと外観が茶褐色の外観となりますが、鉄素材以外の不純物には処理ができないため、目視にて茶褐色の外観となります。


【リン酸マンガン(リューブライト)加工とは】



リン酸マンガン処理(リューブライト処理)はあまり一般的に知られていない表面処理になります。

なぜ??知られていないかといいますと、このまま使用されることが少なく、塗装の下地などに使われる以外に使用用途が広がっていないことが原因です。


リン酸マンガン処理(リューブライト)のメリット

1.一定までしか皮膜が成長しない。

2.絶縁性皮膜

3.成長皮膜がツヤ消し


リン酸マンガン処理(リューブライト)のデメリット

1.鉄素材限定の処理

2.成長皮膜自体がツヤ消し皮膜のため光沢性の外観にできない。

3.膜厚を薄く加工すると皮膜の欠陥が多い


個人的にはリン酸マンガン皮膜は独特のツヤ消し感で黒ともグレーとも言えるような色、質感でとても好きな外観ですので、外観用途などでもPRしたい皮膜です。

また、皮膜の特性として絶縁性があるため、絶縁目的の案件にも使用用途を広げつつあります。

【黒色皮膜まとめ】

①マットブラック

②黒色無電解ニッケルメッキ

③黒色アルマイト

④黒色クロメート

⑤黒染め

⑥リン酸マンガン処理(リューブライト)などありますが、結局どの黒色皮膜がいいのか判断が難しいと思います。


全ての皮膜をご評価頂くのがベストですが、費用も時間も掛かってしまいますので、

弊社の方にお気軽にご相談頂ければ技術スタッフが丁寧にご説明・ご提案させて頂きます。


お急ぎの方はこちら 直通電話 090−6819−5609




【著者のプロフィール】

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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