亜鉛メッキとは
鉄・鋼素地の防錆皮膜として亜鉛メッキが優れているのは、鉄素地に対して亜鉛は電気化学的に陽性となり、皮膜の欠陥(キズ、クラック、ピンホールなど)により鉄素地の露出している場合でも、亜鉛自身が犠牲的に腐食し鉄の赤サビ発生を防止する特性があります。
亜鉛メッキは比較的安価であること、1940 年代の第2次世界大戦時に兵器類に施した亜鉛メッキ・有色クロメート処理製品の耐久性が実証されて以来、急速に普及したメッキ処理です。
【鉄・銅素地に亜鉛を処理する方法として】
溶融亜鉛メッキ
シェラダイジング
溶射(メタリコン)
電気亜鉛メッキ
などがあります。
弊社では溶融亜鉛メッキと電気亜鉛メッキの取り扱いがございます。
今回は電気亜鉛めっきにてご説明させて頂きます。
【実用化されている電気亜鉛メッキ浴】
シアン浴
ジンケート浴
塩化浴
などがあります。
(1)シアン化亜鉛メッキ浴(シアン化亜鉛メッキの主な用途)
シアン浴はメッキ浴自体に洗浄力があり、均一電着性・密着カなど優れています。
毒物を使用しておりますので、排水処理には注意が必要です。
(2)ジンケート亜鉛メッキ浴(ジンケート亜鉛めっきの主な用途)
ジンケート浴はシアン浴に劣らぬ物性が有り、排水処理には金属亜鉛以外問題となる物質も少なく排水処理上は有利なメッキ浴となります。
金属不純物に敏感ですので液管理を十分に行う必要があります。
ジンケート浴は毒物を使用していないため急速に発展しましたが、有効な添加剤なしでは析出が粉末状で、密着の良い光沢亜鉛メッキは得られないため光沢剤の添加は必須となります。
(3)酸性亜鉛メッキ(酸性亜鉛めっきの主な用途)
メッキ速度が速く、浴電圧が低い、電流効率が良く、鋳物、熱処理物などいわゆる難メッキ物とされた材質にも、直接メッキが可能な特徴をもっています。
メッキ液中に多量の塩化物イオンを含むため、設備の腐食性が極めて強いという欠点があります。
現在では塩化アンモニウム浴が多く使用されていますが、排水処理における亜鉛の除去を解決するため、塩化カリウムや、塩化アンモニウムと塩化カリウムを併用する浴も使用されています。
クロメート処理
亜鉛メッキ皮膜は、メッキしたそのままの状態で使用されることはほとんどなく、クロメート処理を施してはじめて完成品として使用されることがほとんどです。
ですのでクロメート=亜鉛メッキの後処理としての認識が低いのが現状です。
亜鉛メッキは、クロメート処理によって美しい外観を得るだけではなく、耐色性が著しく向上する処理です。
クロメート皮膜には有色クロメート(クロメート)、光沢クロメート(ユニクロ)、黒色クロメート、緑色クロメートなどがあり、耐食性などの目的で使い分けます。
クロメート処理をする前には十分水洗し、0.5~1%の容量の硝酸溶液中に2~3秒浸漬し、表面をごく薄く均一に溶解することにより光沢を出すことで、次工程のクロメート処理の外観がきれいな仕上がりになります。
クロメート処理液の濃度によって浸漬時間は多少異なりますが、通常5~30秒、浴温は25℃位で行います。
乾燥は高温で乾燥しますとクロメート皮膜にヒビ割れを生じて耐食性が悪くなるので、乾燥温度は70℃以下で行います。
a)有色クロメート(クロメート)
有色クロメートはクロメートとも呼ばれ、干渉色の艶のある美しい外観になります。
耐食性にも優れていることからホームセンターなどで販売されているネジなどに施されている処理がこちらになります。
b)光沢クロメート(ユニクロ)
光沢クロメートは「ユニクロ」とも呼ばれ、光沢のある青白色の外観です。
光沢クロメートは他のクロメート皮膜にくらべ耐食性が劣りますが、きれいな外観のため色々な用途で使用されています。
c)黒色クロメート
1960 年前後から使用されはじめ、美しい黒色の色調が好まれ、急速に普及しました。
クロメート液に黒化剤として少量の銀塩を加えたもので、リン酸と酢酸を含む2種類がありますが、耐食性はリン酸を加えたものが良好です。
どちらのタイプも皮膜に傷がつきやすく、乾燥時のシミが出やすいので、クロメート処理後に無水クロム酸1~2g/L の浴に浸漬し、手早く乾燥してシミの発生を防ぐなど工夫が必要です。
d)緑色クロメート
自動車関連部品における高耐食性の要望に答えるため開発されたもので、暗緑色の渋い色調と、これまでのどの種類のクロメート皮膜より優れた耐食性のため、飛躍的に普及しました。クロメート液にはりン酸が添加されており、亜鉛メッキと強固な皮膜を生成します。
e)クロメート処理における注意
①クロメート皮膜の乾燥温度は高すぎると耐食性の低下の原因になるので70℃以下で行う。
②亜鉛メッキの厚さは、硝酸浸漬やクロメート処理によって、溶解し減少するので最低5μm 以上必要です。
③乾燥前のクロメート皮膜は、耐摩耗性が良くなく、傷がつきやすいので取扱いに注意が必要です。
④低濃度クロメート処理液は光沢作用がありませんので、亜鉛メッキで光沢を出しておく必要があります。
⑤光沢クロメート処理の場合、乾操を出来るだけ速くしないと斑点が出ることがあるため、クロメート処理後50~60℃の湯洗をしてから乾燥します。
⑥クロメート処理浴は強酸性であるため、ステンレス鋼などの耐酸性容器を使用し、皮膚などに付着しないように特に注意する。
めっきに関するお問い合わせやご質問などございましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡下さい。
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