プラスチック上へのメッキの目的
製品の外観を向上させ高級化を図る
耐熱性、耐擦過性、耐衝撃性、耐候性、耐汚染性などプラスチックの欠点の改善や性能向上。
プラスチックで軽量化しながらメッキ処理で表面を金属化する。
プラスチックへのメッキといえばABS樹脂上へのメッキが一般的です。
これはABS樹脂のもつ抜群の成形性と表面処理のしやすさからです。
しかしABS樹脂は耐衝撃性、耐熱性にあまり優れておらず、冷蔵庫のハンドルや自動車の取っ手などがプラスチックメッキから亜鉛ダイカストに代わった時期がありました。
しかし、自動車業界のエネルギー問題による軽量化の要望や耐食性の良さなどから、プラスチックへのメッキ処理が再び用いられるようになっております。
特に耐衝撃性、耐熱性など厳しい性能が要求される製品に対しては、エンジニアリングプラ
スチックと呼ばれるポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリアセタール樹脂(ジュラコン、テ
ナック)などにメッキされるようになってきました。ところが、家電製品のツマミ、フレームなどに多く用いられていたABS樹脂上へのメッキは1986年を境に大幅に減少しています。
その理由は円高により、製品のコストダウンのため、メッキを施さずに使用されるように
なってきたからです。一方、パソコンや携帯電話のようなプラスチックの筐体に対して、
電磁波による外部からの影響をなくす目的で電磁波シールド用の無電解銅メッキ、無電解
ニッケルメッキが行われるようになってきました。
ABS樹脂上へのメッキ
ABSへのメッキ技術はほぼ30年の歴史をもち、しかも現在でもプラスチックメッキのほとんどがABSです。ABSに限らずプラスチックメッキでは、金型設計を含めた成型条件が非常に大切です。ひけ、バリ、反りのないこと、さらにフローマーク、ウエールドマークなどが見られないような成型品でなければなりません。
最近のように精密成型される場合は特に重要です。
ABS樹脂での密着機構はエッチング工程でのABS樹脂表面のブタジエン成分の選択的溶解とそれに起因するメッキ皮膜のアンカー効果です。
したがって、樹脂はメッキ用グレードを使用し、成型品の表面のブタジエン粒子の形状と分
散状態のよい成型が必要です。
エッチング後触媒化工程を経て、無電解銅メッキおよび、無電解ニッケルメッキが行われ、ここまで処理されると、通常の金属製品と同等の処理方法でメッキすることが可能になります。
ごく最近の動向として、無電解銅メッキにホルマリンが還元剤として使用されているので、これを避けるために、触媒化工程で吸着した金属イオンを金属化させ、直接電気銅メッキを行なう手法が開発されています。
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