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【メッキ技能士直伝】塗装じゃない。アルミニウム表面に金属光沢感のカラーリングといえば着色アルマイト!!

更新日:2024年10月14日

アルマイト処理(陽極酸化処理)は、アルミニウムの表面を化学的に酸化させることで生成される酸化皮膜を利用した表面処理方法です。アルミニウムの素材自体を酸化させる事で成膜される酸化皮膜は、非常に硬く、耐摩耗性や防食性に優れているため、広く工業用途で使用されています。


■INDEX■



 

1.陽極酸化とは

陽極酸化とは、アルミニウムの表面に人工的に酸化皮膜(酸化アルミニウム:Al₂O₃)を形成するプロセスです。


陽極酸化処理は、アルミニウムを電解質溶液中に浸し、製品に+極(陽極)を通電して行います。電流が流れることで、アルミニウム表面で酸化反応が進行し、酸化アルミニウムの層が形成されます。



2.アルマイトの種類

アルマイト処理には、通常のアルマイト(着色アルマイト)と硬質アルマイトの2種類があります。それぞれの皮膜硬度には大きな違いがあります。


2.1アルマイト

アルマイトの皮膜硬度は約Hv250程度です。主に装飾用途や軽さな耐食性を求められる製品に使用され、カラーリングを行うことが可能です。日常的な使用環境での耐久性性や美観を重視する場合に適しています。


2.2硬質アルマイト

硬質アルマイトはより高度な保護を目的とした処理で、皮膜硬度はHv400程度と非常に高く、ステンレス鋼の以上の硬さを持ちます。 硬質アルマイトは耐、摩耗性や耐久性が特に求められる機械部品や工具、産業用途に多く使用されます。この高硬度の皮膜は、過酷な使用環境下でも優れた耐久性能を発揮します。


硬質アルマイトは、通常のアルマイトよりも硬い皮膜を形成し、高い耐摩耗性、耐食性、耐熱性を備えています。



3.なぜ、アルマイトでカラー化できるのか?

アルマイト被膜を形成すると微細な孔(100~300Å)が形成される構造です。

こちらの微細な孔に染料を充填することでカラーリング(着色)ができるのですが、染料が存在するのは微細な穴の中だけです。


穴の中に入れた染料がどうしてカラーとして認識できるのか疑問があると思います。

アルミの陽極酸化処理で形成されたアルマイト被膜の色調は、無色透明なのです、無色透明な被膜のため、アルマイト被膜を通して奥に滞在する染料を見る事ができます。


アルマイト被膜を通して奥に滞在する色を見ているため、表面に傷がついた場合でも塗装のように色が取れてしまうことがありません。




4.処理実績のご紹介


今回は黒色硬質アルマイト(アルミニウム陽極酸化)のご紹介です。 アルミニウム(A7075)材に黒色の硬質アルマイトを処理させて頂きました。 アルマイト(アルミの陽極酸化)処理はアルミニウム素材にしか処理対応出来ませんが、 硬い皮膜、絶縁性などいろんな特性を持たせることが可能です。


寸法公差の厳しい所もございましたが、無事交差内に収める事ができました。

今回はマスキングなどございませんでしたが、必要部以外マスキング対応や 膜厚の指定など細かな対応も行いますのでお気軽にご相談下さい。



お問い合わせ、最短1営業日以内で対応いたします。


お急ぎの方はこちら 直通電話 090−6819−5609


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【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。




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