金属なのに柔らかいスズめっき、どのくらい柔らかいかスズめっきの硬さを比較してみました。
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めっき皮膜硬度の調べ方
めっきの皮膜硬度にはビッカース皮膜硬度が使われますが、ビッカース硬さ試験とは硬さを表す尺度の一つで、押込み硬さの一種で、ダイヤモンドでできた剛体を被試験物に対して押込み、そのときにできるくぼみの面積の大小で硬いか柔らかいかを判断する試験方法です。
各種スズめっき皮膜硬度
ビッカース硬度で比較した場合、例えばアルミニウムはアルミ缶にも使われる非常に柔らかいイメージのある金属だと思います。アルミ缶にも利用されるアルミニウム(A7000系:超々ジュラルミン)の硬度がHV150程度、スズめっきは数種類ありますが、どのスズめっき皮膜もアルミニウムのHV150を大きく下回る柔らかさを持った皮膜です。
光沢スズめっき・・・・HV40~60
半光沢スズめっき・・・HV14~16
無光沢スズめっき・・・HV5~7
アルカリスズめっき・・HV3~4
まとめ
柔らかいスズめっき皮膜ですが、柔らかい皮膜であるからこそのメリットがあります。
「製品を傷つけない」事です。スズめっきを施した製品を治工具として使用した場合、製品と喧嘩してもスズめっきが柔らかいため、傷を付けることを避けることが可能です。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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