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【メッキ技能士直伝】金メッキや銀メッキなどの貴金属メッキの特徴とは??

更新日:6月14日



【金メッキ】

金は極めて高い耐食性を持ち、電気、熱の電導性が良く更に低い接触抵抗を兼ね備えた金属です。

それらの特性に応じて、金メッキも装飾用から、電子・電気部品などの工業用に至るまで幅広く利用されています。


金メッキ浴の種類は、シアン化金カリウムを用いるシアン化物浴と、金の亜硫酸塩やチオシアン酸塩を用いるノーシアン浴の2種類があります。現在最も多く使用されているのは前者のシアン化物を用いた浴です。


a)アルカリ性浴(シアン浴)

pHは9 以上で遊離シアンを含み、均一電着性、陰極電流効率が良く、銀、銅、ニッケル、パラジウム、インジウム等を加える事により析出純度を下げたり、色調を変化させる事ができます。欠点としては炭酸塩の増加と排水処理に問題があります。


b)中性浴

pHは5~8で使用する浴で、析出純度は99.9%以上で陰極電流効率も90%以上と優れた浴です。

主として工業用、特に半導体関係のボンディングを必要とする部品に用いられています。

平滑性に乏しい、金メタル濃度が高い、不純物に弱いなどの欠点がございます。


c)酸性浴

pHは2~6で遊離シアンをほとんど含んでいないメッキ浴です。

コバルトやニッケル等を加えて硬度や平滑な特性を持たせることが可能です。

析出純度は98%以上で陰極電流効率は20~50%です。

効率が悪い、ボンディング用に不向きなどが欠点です。



【銀メッキ】

銀は電気と熱の伝導性が金属の中で最も良いので用途は広い。銀メッキも電気接点やIC、LSIのリードフレーム等の工業用をはじめ、アクセサリーや食器等の装飾用に幅広く使用されています。


銀メッキ浴の種類はシアン化銀を用いるアルカリ性浴と銀カリウムを用いる中性浴、シアン化合物を全く使用しないノーシアン浴があります。


アルカリ性浴(シアン化銀浴)

pHは10 以上で遊離シアンを含み、現在最も多く使われている浴です。

光沢浴には光沢剤としてアンチモン等の無機金属塩が微量に添加されています。

無光沢浴には添加剤を全く含まない浴と、微量のセレンを添加した無光沢~半光沢の外

観が得られる浴があります。

 

一般的に無光沢~半光沢浴は工業用に、光沢浴は装飾用に使用されています。

欠点としては、遊離シアンを多量に含む事です。

また、銀はほとんどの金属よりも貴であるため、銀めっき液に品物を浸漬すると素材に銀が置換して密着不良を生じます。

これを防ぐために銀ストライクメッキを行い密着性の問題を解決できます。


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【著者のプロフィール】

代表取締役

1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。

30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。





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