めっき液の管理で大事なポイントであるpH値、pHの測り方を知っていますか?
pHメーターは、めっき液や各種前処理液、排水などの調整および確認を行なう上で必要不可欠な装置で、あらゆる領域の研究室、実験室、量産ラインにおいて広く用いられています。日本国内におけるpH値の測定方法はJISによってガラス電極を用いた0~95℃の水溶液のpH測定方法(JIS Z-8802)が規定されています。
目次
pHを測る方法
めっき液のpHを測る方法として3つの方法があります。
比色試験紙による方法
比色管による方法
電気式pH計による方法
一般のめっき液のpH管理では、pHの精度が±0.2程度の精度で目的が達成できるため、比色pH試験紙を使用しての管理で十分ですが、最近はめっき液の管理範囲も狭くなってきている事からガラス電極式のデジタルpH計を用いる事が増えております。 pHの測定はめっき液の管理だけでなく、排水処理の管理にも欠かすことの出来ないものです。ここからは、pH試験紙、ガラス電極pHメーターによるpH測定の方法とポイントをご紹介します。
pH試験紙によるpHの測定
めっき液など測定したい液を採取し、常温にしておく
測定する液のおおよそのpH値付近のpH試験紙によって測定する。
測定する液のおおよそのpHがわからない場合は、万能試験紙にておおよそのpH値を読み取る。
測定したい液にpH試験紙を浸し、取り出して比色表と対比してpH値を読み取る。
ガラス電極pHメーターによるpHの測定
測定前にpH校正を行う。(2種類以上のpH標準液を用いてpHメーターを校正して測定を行なう)
めっき液など測定したい液を採取し、常温にしておく (pHは温度との関係が大きいので測定する際、室温の変動は±3℃程度として、室温と測定しようとする液との温度の差は±2.5℃程度にすることが安全と言われていますが、実際の現場では室温自体が安定していないため、測定の温度をある程度決めて日々の管理を行う事が望ましい。)
採取した液にガラス電極を浸してpHを測定する。
アルカリ性の測定の注意
ガラス電極を用いてpH11以上のアルカリ性溶液を測定した場合、アルカリ誤差が生じてpH値が低く測定されることがあるので、このようなpH値のアルカリ性溶液を測定する場合はアルカリ誤差の少ない電極を用い、必要な補正を行なうこととしています。
まとめ
めっき液および前処理液や排水のpH管理はめっき処理の大事なポイントになります。 そのpHの測定方法には以下の3種類の方法があります。
比色試験紙による方法
比色管による方法
電気式pH計による方法
これらの測定方法は目的や用途によって使い分けされています。
めっき液や前処理液のpH管理はめっき処理を行うための重要なポイントになります。
そのほかにめっき処理で使われた水を公害防止の観点から適正な処理を行い放流する必要があります。放流のpH値は5.8〜8.6(海域以外に放流する場合)と定められており企業はこちらを遵守する必要があります。どの測定方法も試料の液温管理が重要なポイントです。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、 製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。 メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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