今回少し複雑な形状の製品にマットブラックをご用命頂き処理を施させて頂きました。
何に使用されるかお聞きしておりますが、秘密保持の関係上お伝えすることができませんのでご了承下さい。
少し話は逸れますが、弊社メッキ処理を中心とした表面処理業ですので、製品を製作というよりはクライアント様の方で作成された製品に付加価値を与える為の表面処理を施させて頂くことがほとんどです。
製品をお預かりして処理を行いますので、製品形状がそのままズバリで見えてしまう商売でございます。
ですので、本来であれば、弊社の表面処理は〇〇社のこちらの部品に・・・・とご案内したい所ですが、製品情報はもちろんお取引の会社様もクローズさせていただいております。
情報開示が難しい業種ではございますが、処理前後の画像を掲載しながらマットブラックの魅力を感じて頂けたらと思います。
黒い表面処理にはどんな処理があるの?
マットブラックは非常に外観性に優れた処理ですが、その他にも黒色の表面処理がございますのでご紹介させて頂きます。
黒染め
鉄鋼のみ限定の処置でして、アルカリ着色とも呼ばれ四三酸化鉄の皮膜を化成処理にて形成させる方法になります。
一次防錆的な処理となりますが、安価に処理できることが特徴です。
亜鉛メッキ(黒色クロメート)
亜鉛メッキ後の防錆処理で、6価クロム酸イオンを主成分とする処理液を用いた化成処理となります。色調には無色(ユニクロ)、有色(クロメート)、黒色、緑色などがございます。最近のRoHS指令などの環境問題の影響から6価クロムによるクロメートが全国的に減少しておりますが、弊社は6価・3価どちらも対応可能です。
黒色無電解ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキの表層を溶解させる際に黒色になる原理を利用した処理でして、表層の1μm未満のみが黒色の皮膜となります。
素材の光沢性や寸法公差などを維持しながら処理する目的の場合にご使用頂いております。
黒色ニッケルメッキ
ニッケルと亜鉛などの2種以上の合金メッキとなります。
析出時から黒色の皮膜となっておりますので、薄膜で黒色皮膜を得たいなどの場合に利用頂いております。
低温黒クロムメッキ
つや消しの黒色皮膜で、主に反射防止目的ご使用頂いております。
皮膜の粒子でつや消しになりますのでショットブラストやエッチングなど施す必要がありませんので、板厚が薄くショットブラストなどで艶を消すことができない案件などにご使用頂いております。
陽極酸化皮膜(アルマイト)とは、アルミニウムを陽極(+極)で電解処理して人工的に酸化皮膜(Al2O3)を生成させる表面処理のことです。
陽極酸化皮膜処理は、日本が誇る世界的な技術で、電解液の種類・濃度・温度・電流密度などの電解条件などでシルバー、ゴールド、黒など色の表現や(発色・着色)、表面を硬くすることで耐摩耗性などを付与させることができます。
電気めっき処理とコーティングのハイブリットの処理です。
艶消しの黒色皮膜で匠性性や、反射を防止できるためカメラ検査機器等への処理に適した処理です。
マットブラックを施工させて頂いたものがこちら
特性、目的に応じていろんなメッキ処理の組み合わせをご提案することが可能ですので、ぜひ弊社までご相談ください。
無料でご相談 直通電話 090−6819−5609
【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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