製造業において、テフロン硬質アルマイト処理を含め、さまざまな表面処理や加工を行っていると、不具合が発生することは避けられません。 不具合はどの工程でも発生し得るため、原因を特定し、適切にに対処することが重要です
■INDEX■
4.1色ムラ
1.アルマイトとは
アルマイトとは、アルミニウムの表面に人工的な酸化皮膜を形成する処理技術の一種で、陽極酸化処理とも呼ばれます。
アルマイト処理は、電解槽にアルミニウムを陽極(+極)として設置し、電解液中に電流を流すことで行われます。これにより、アルミニウム表面に酸化皮膜が生成され、その厚みや性質は処理の条件(電流、時間、温度など)によって制御されます。
アルマイト皮膜の主な特性は、耐摩耗性、耐食性、電気絶縁性です。これにより、自動車部品、航空機部品、電子機器、さらには家庭用品まで、幅広い分野でアルマイト処理が活用されています。アルマイト処理は着色も可能であり、耐久性のある装飾仕上げが求められる製品にも適用されています。
2.硬質アルマイトとは
硬質アルマイトとは、アルミニウム表面に硬度の高い酸化皮膜を生成させる表面処理の一種です。通常のアルマイト(陽極酸化処理)よりも特に高い耐摩耗性と耐食性が求められる場合に利用されます。
硬質アルマイトの処理方法は、通常のアルマイト処理と同様に、アルミニウムを陽極として電解液に浸し、電流を流すことで人工的に酸化アルミニウム(アルミナ)の層を形成します。
硬質アルマイト処理では、通常のアルマイト処理に比べ低い温度で処理を行います。また、より高い電圧と電流密度を用いることで、非常に緻密で硬い皮膜を生成します。この処理により、通常のアルマイト処理よりも硬い皮膜を生成します。
3.テフロン硬質アルマイトとは??
テフロン硬質アルマイトとは、硬質アルマイト処理とテフロン(フッ素樹脂)を組み合わせた複合皮膜技術です。
アルバックテクノ株式会社様の商品でTUFRAM®(タフラム)という処理がございますが、テフロン硬質アルマイトの別名です。
硬質アルマイト処理で形成されたアルマイト被膜に形成された孔(ポア)に、テフロンを含浸させることで、硬質アルマイトの強度や耐摩耗性に加え、滑りやすさや耐食性といったテフロンの特性を持たせる事が可能です。
4.テフロン硬質アルマイト不具合
4.1色ムラ
色ムラの原因は止まり穴に前処理液などが入りますが、前処理液が残っていた事でアルマイトの成膜を阻害した事が色ムラの原因と考えられます。
対策としましては止まり穴など処理液が残留しやすい形状の場合には特に洗浄を強化し、液の残留しないように洗浄を行う事が対策になります。
このような状態になりますと一度アルマイト皮膜を脱膜して再処理しないと修正ができません。
剥離を行う事は可能ですが、素材寸法が減寸する事、剥離することで素材が荒れる事から光沢や面荒さが悪くなります。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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