チタン素材の利点と欠点
チタンは、軽い・強い・錆びにくい・水素吸蔵に優れるなど多彩なメリットを持つ魅力あふれる実用金属ですが、貴金属などに比べ導電性が劣るなど機能的に付加価値を加えたい場合などチタンを使いたいけどここは他の金属にしたいな?など製品を作る際には出てくると思いますが、その際に利用頂きたいのがメッキ処理です。
チタン素材へのメッキ処理は難しい??
チタン素材へメッキを検討した場合、メッキ専業社からチタンへのメッキはできませんなど
お断りをされた経験があるのではないでしょうか?
材料的に優れたチタンにメッキができると利用の幅が広がると考えておられる方も多いものと思います。そこで、なぜチタンへのメッキが断られるのかもしくは難しいのか?をご説明。
まず1つ目に、チタンの素材表面には強固な不動態被膜を有しており、不動態被膜が形成し易いという特長があります。不動態被膜の無い状態でメッキをしなければ密着の良いメッキ被膜が得られません。次に、アルミニウム、バナジウム、パラジウム、モリブデン、クローム、ニオブなどを添加することにより、機械的・物理的・化学的な性質を高めたチタン合金を形成させることで、チタン単体よりもより一層メッキ処理を施す事が難しくなります。
また、膨張率の差から生じる応力がメッキの密着性を低下させる要因にもなっております。
そんなこんなでチタンにはメッキできないのか??
チタンの素材表面には強固な不動態被膜を有しており尚且つ、アルミニウム、バナジウム、パラジウム、モリブデン、クローム、ニオブなどを添加されることでメッキ処理が難しくなっているチタンへのメッキ処理ですが、結論からお話するとチタン素材へのメッキ処理は可能です。
特殊な前処理などを施すことで密着性を確保することができ、メッキの種類も特に限定なく対応可能です。そんなチタン素材に今回は金めっきのご依頼頂きました。
部署異動の方に記念品として送られるとの事でいつもどおりですが綺麗に仕上げさせて頂きました。
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【著者のプロフィール】
1996年、福井工業大学附属福井高等学校を卒業後、地元のメッキ専門業者に入社、製造部門を4年経験後に技術部門へ異動になり、携帯電話の部品へのメッキ処理の試作から量産立ち上げに携わる。
30歳を目前に転職し別のメッキ専門業者に首席研究員して入社。メッキ処理の新規開発や量産化、生産ラインの管理、ISO9001管理責任者などを担当。
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