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無電解メッキ
無電解メッキとは、電気を使わずに化学反応によって金属皮膜を析出させる技術です。英語では「Electroless Plating」と表記され、略称として「ELP」と呼ばれることもあります。
従来の電解めっきとは異なり、電流を流す必要がないため、導電性のないプラスチックやセラミックなどの素材にもメッキを施すことができます。また、複雑な形状の物体にも均一な膜厚でメッキすることが可能であり、精密機械や電子部品など幅広い分野で活用されています。
1. 無電解メッキの種類と原理
無電解メッキは、大きく「置換型」と「還元型」の2種類に分類されます。
1.1 置換型
置換型無電解メッキは、素材表面の金属原子とメッキ液中の金属イオンが置換反応を起こすことで、金属皮膜を形成します。
置換反応は素材がメッキ液で溶解し、尚且つ素材よりもメッキしたい金属が貴である必要があります。
代表的な例としまして、鉄素材への硫酸銅メッキによる置換反応、アルミニウム素材への亜鉛置換などがあります。
1.2 還元型
還元型無電解メッキは、メッキ液中の金属イオンが化学還元反応によって金属皮膜を形成します。
代表的な例としては、無電解ニッケルメッキや無電解銅メッキなどが挙げられます。
2. 無電解メッキのメリット
無電解メッキには、電解メッキと比較して以下のメリットがあります。
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導電性のない素材にもメッキが可能
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複雑な形状にも均一な膜厚でメッキが可能
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低温で処理できるため、基材へのダメージが少ない
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精密なメッキが可能
3. 無電解メッキのデメリット
無電解メッキには、以下のデメリットもあります。
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電解メッキに比べて処理速度が遅い
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メッキ液の管理が難しい
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定期的に液の更新がある
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