カニゼンメッキ
カニゼンメッキとは日本カニゼン様の商標です。別名、無電解ニッケルメッキ、化学メッキなどとも呼ばれていますが、全て同じNi-Pメッキ処理です。カニゼンメッキの特徴を解説したうえで名前の由来や歴史をご説明します。カニゼンメッキの処理の方法としては、外部電源を用いることなく、化学的還元作用によりめっき処理する方法です。
無電解ニッケルめっきはBrennerにより1944年に偶然に発見されました。1946年、研究の発表により無電解ニッケルメッキの利用が始まり、硬さ、耐摩耗性、耐食性、非磁性安定性など特有の優れた特性を持つ他、電気めっきには無い膜厚の均一性という特徴があるため世界に普及しました。日本では、昭和30年頃小野田セメント株式会社がカニゼンプロセス( CANIGEN:Catalytic Nikel Generation)を技術導入し、全国に広める際、カニゼンめっきという名前で全国に広めた事がカニゼンめっきと呼ばれる由来です。広める際に別の名前を名付けていたら今頃は別の名前が広まっていた事でしょう。
カニゼンメッキの名前の由来を見ていきましょう。
日本カニゼン株式会社によれば、以下の3つの頭文字をとって「Kanigen(カニゼン)」と名付けたとされています。
触媒:C(K)atalytic
ニッケル:Nickel
生成:Generation
無電解ニッケルメッキは還元反応を利用したメッキ処理の手法にあたるため、触媒という言葉を用いるのが特徴となっています。カニゼンメッキとは何だろうと思ったら、名前の由来についても注目するとよいでしょう。
カニゼンメッキには、実際の呼び名のほかにもたくさんの呼び方があります。
無電解ニッケルメッキという名前を除けば、主に以下のような名前や呼び方が挙げられるでしょう。
無電解Ni・化学Ni・化学ニッケル・Elp・Kni・Ni-P・ニッケル-リン・無電解ニッケルメッキは化学反応を利用することから化学ニッケルとも呼ばれます。そのため、この法則にのっとれば、カニゼンメッキ・無電解ニッケルメッキも化学ニッケル・化学Niと呼ぶことができるわけです。また、無電解ニッケルメッキは英語表記すると「Electroless nickel plating(無電解ニッケルメッキ)」、もしくは「Chemical nickel plating(化学ニッケルメッキ)」となります。Elpという名前はここからきていることがわかるでしょう。ニッケル-リンという呼び方は、還元作用を利用することで作られる皮膜がニッケルリンの皮膜になることからきています。カニゼンメッキとは何かを理解する際には、このように様々な呼び方があることもぜひ覚えておきましょう。