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無電解ニッケルめっき

​無電解ニッケルメッキ

 

無電解ニッケルメッキは、電気を使用せずに化学的還元作用を利用して金属表面にニッケル層を形成する加工技術です。このメッキ方法は、電気メッキと異なり、電流を流す必要がないため、非導体であるプラスチックやセラミックなどの素材にも均一な厚さでメッキを施すことが可能です。無電解ニッケルメッキは、耐摩耗性、耐食性、耐薬品性などの特性を持ち、自動車産業、電子工業、医療用品など幅広い分野で利用されています。

​目次

1.無電解ニッケルメッキの原理と化学反応式

2.無電解ニッケルメッキの歴史と発展

3.無電解ニッケルメッキの特徴

 3.1.色と光沢

 3.2.硬度と硬さ

4.無電解ニッケルメッキ液の成分と組成
 

5.無電解ニッケルメッキの用途

6.無電解ニッケルメッキの工程と品質管理

 6.1.メッキ工程及びベーキング処理

 6.2.品質管理

7.無電解ニッケルメッキの問題点と解決策

 7.1.錆びる、変色、剥がれの原因

 7.2.環境への配慮

 7.3.無電解ニッケルメッキの経済的側面

1. 無電解ニッケルメッキの原理と化学反応式

無電解ニッケルメッキの原理は、メッキ液内に含まれるニッケルイオンが化学反応によって還元され、金属表面にニッケルの層を形成することにあります。基本的な化学反応式は以下の通りです。

Ni2+ + 2H2PO2- + 4OH- → Ni + 2H2PO3- + 2H2O

ニッケル塩と還元剤が反応し、ニッケルイオンが金属ニッケルに還元される過程を示します。この反応は、特定の触媒の存在下で進行し、均一なメッキ膜を生成します

2. 無電解ニッケルメッキの歴史と発展

無電解ニッケルメッキの歴史は、1946年にBrennerとRiddellによって発表された研究に始まります。彼らは、軍用大砲の内部メッキ研究中に偶然触媒反応を発見し、これが無電解ニッケルメッキ現象の発見につながりました1914。日本では、その発表から11年後の1957年に無電解ニッケルメッキの工業化が進められ、今日に至るまで技術が発展してきました。

 

3. 無電解ニッケルメッキの特徴

無電解ニッケルメッキにおいて、膜厚はメッキの性能を決定する重要な要素です。適切な膜厚は、耐食性、耐摩耗性、そして耐薬品性を保証するために必要です。一般的に、無電解ニッケルメッキの標準膜厚は5μmから25μmの範囲内で設定されますが、用途に応じてこれより厚い膜厚が求められる場合もあります。例えば、極めて高い耐摩耗性が求められる部品では、より厚いメッキ層が必要とされます。

 

無電解ニッケルメッキの膜厚を測定する方法には、蛍光X線検査やデジタルマイクロメータによる実寸の測定、質量計測による方法などがあります。これらの方法は、メッキ膜の均一性を確認し、必要な膜厚が達成されているかを正確に評価するために用いられます。特に、蛍光X線検査は非破壊で膜厚を測定できるため、精密部品の検査に適しています。これらの測定方法は、高い精度を持ち、膜厚の管理において重要な役割を果たします

 

無電解ニッケルメッキでは、膜厚のばらつきを最小限に抑えることが品質管理上非常に重要です。膜厚の均一性は、メッキされる部品の機能性や耐久性に直接影響を与えるため、厳密な管理が求められます。膜厚のばらつきを管理するためには、メッキ液のpHや温度を一定に保つこと、そしてメッキ時間を正確に制御することが重要です。また、ダミーを利用してメッキ時間を算出する方法や、ダミーと一緒にメッキを行う方法も、膜厚の均一性を保証するために有効です。これらの管理方法により、無電解ニッケルメッキの品質を一定に保つことができます。

3.1 色と光沢

無電解ニッケルメッキの色と光沢は、メッキの美観だけでなく、その品質を示す重要な指標です。無電解ニッケルメッキの皮膜は通常、黄色味がかった銀色を呈しますが、色目が変化することがあります。色目の変化の原因として、酸化が原因となることがほとんどです。例えば熱処理を行った場合、300℃付近から酸化による変色が発生します。また、水の中で使用される場合なども酸化による変色が発生し、茶色から黒色に変化します。

3.2 硬度と硬さ

硬度とは、材料が他の物体によって変形または傷つけられる抵抗力の尺度です。無電解ニッケルメッキにおいて、硬度はメッキ層の耐摩耗性や耐久性を示す重要な指標となります。硬度の記号としては、HV(ビッカース硬度)、HRB(ロックウェル硬度Bスケール)、HRC(ロックウェル硬度Cスケール)などがあります。これらの硬度は、それぞれ異なる測定方法に基づいています。例えば、ビッカース硬度はダイヤモンドのピラミッド形状の圧子を用いて試料に一定の荷重を加え、圧痕の大きさから硬度を計算します。ロックウェル硬度は、圧子の種類(球形または円錐形)と荷重の大きさによって異なり、試料に圧子を押し込んだ後の深さから硬度を求めます。

 

無電解ニッケルメッキの硬度は、熱処理によって大きく変化します。

無電解ニッケルメッキ皮膜が熱処理により硬化する理由は次のように考えられています。

析出状態では、非晶質または超微細結晶質であった無電解ニッケルメッキ皮膜が、約260℃付近から結晶質のNiとNi3Pの混合した層へとゆっくり変化します。そして、マトリックスである結晶質ニッケル中に硬いNi3Pが分散した形の複合メッキとなり、硬度が上昇するものと考えられます。

 

硬度が高い材料は、一般的に摩擦係数が低くなる傾向があります。これは、硬い表面が滑らかであるため、接触面積が小さくなり、摩擦が減少するためです。無電解ニッケルメッキの場合、硬度を高めることで、表面の滑らかさが向上し、摩擦係数が低下します。これは、無電解ニッケルメッキが耐摩耗性に優れる理由の一つです。また、低い摩擦係数は、動作部品の摩耗を減少させ、長寿命化に寄与します。したがって、無電解ニッケルメッキの硬度を適切に管理することは、製品の性能と耐久性を向上させる上で非常に重要です。

4. 無電解ニッケルメッキ液の成分と組成

無電解ニッケルメッキ液は、金属塩、還元剤、錯化剤、pH調整剤、緩衝剤から構成されています。金属塩はメッキ皮膜の主成分です。還元剤はニッケルイオンを還元して金属ニッケルを析出させる役割を果たし、錯化剤は金属イオンと結合して錯イオンを形成させます。安定剤は反応の抑制を行う事で液の安定性を保ちます。これらの成分が適切に配合されることで、安定的なメッキ処理を行うことができます。

 

リンは無電解ニッケルメッキ皮膜中で重要な役割を果たします。リンはメッキ皮膜内でニッケルと結合し、硬度や耐摩耗性を向上させる効果があります。リン含有量が増加すると、メッキ皮膜の耐食性が向上し、逆に低くなるとメッキ皮膜の硬度が向上し、耐摩耗性が増す傾向があります。

  • 低リンタイプ
    リン含有率1~4%。はんだ付性に非常に優れています。耐食性は中リンタイプ・高リンタイプに比べて劣ります。

     

  • 中リンタイプ
    リン含有率7~10%。素材への密着性も高く、汎用性の高い方法です。高い耐食性も持っています。

     

  • 高リンタイプ
    リン含有率11%~12%。耐食性、耐酸性に優れています。

5. 無電解ニッケルメッキの用途

無電解ニッケルメッキは幅広い分野で活躍しており、自動車産業や工業機械、精密機器から医療用品まで多岐にわたる用途があります。具体的には、ディスクブレーキ、シリンダ、歯車、精密機器などの部品に広く使用されています。このめっきは硬さ、耐摩耗性、焼付き防止、耐食性、精度などの特性を提供し、製品の品質向上に貢献しています。

 

無電解ニッケルメッキはアルミニウムステンレスなどの材質にも適用されます。特にアルミニウム合金ステンレス鋼などの表面処理において、耐食性や耐摩耗性を向上させるために利用されます。これにより、金属部品の寿命を延ばし、耐久性を向上させることが可能です。

 

無電解ニッケルメッキは耐久性に優れており、金型や機械部品の摩耗や変形を防ぎます。また、めっき膜の均一性から生産品の品質ブレを抑制し、製品の安全性と機能性を高めます。

6. 無電解ニッケルメッキの工程と品質管理

6.1 メッキ工程及びベーキング処理

メッキ処理の前に行われる前処理は非常に重要です。前処理では、ワーク表面から脂分や汚れを取り除き、表面を清浄化してメッキ液が均一に付着するよう準備します。前処理の適切な実施は、メッキ膜の密着性や均一性を向上させるために欠かせません。

 

めっき後の部品を高温で加熱することで硬度を向上させ、Hv900〜1000程度の高硬度を実現します。また、ベーキング処理により水素脆性が低減され、部品の耐久性や安定性が向上します。水素脆性は部品が水素を吸収し、脆くなる現象であり、ベーキング処理はこれを防ぐ役割も果たします。

アンカー 1
アンカー 2
アンカー 3
アンカー 4
アンカー 5
アンカー 6

ステンレスへの無電解ニッケルめっき加工

1

​脱脂工程

2

​電解脱脂

3

酸活性

4

ニッケルストライク

5

無電解ニッケルメッキ処理

アルミニウムへの無電解ニッケルめっき加工

1

​脱脂工程

2

​エッチング(表面粗化)工程

3

スマット除去(デスマット)

4

​ジンケート処理(亜鉛置換)

5

​ジンケート剥離

6

ジンケート処理

7

無電解ニッケルメッキ処理

アンカー 7

6.2 品質管理

無電解ニッケルメッキの品質管理において、密着性の測定は重要な要素です。密着性はメッキ層が基材にしっかりと固定されているかを示します。密着性の評価には、折り曲げ試験や熱衝撃試験が用いられます。これらの試験は、メッキ層が基材から剥がれるかどうかを確認するために行われます。

 

無電解ニッケルメッキにおける不良の一般的な原因には、素材表面の汚れや酸化被膜の形成があります。これらは、製品ごとに反応のばらつきを生じさせ、化学反応が進みにくくなることが原因です。

 

無電解ニッケルメッキの品質管理には、JIS H8645が適用されます。JIS規格では、メッキの品質を保証するための様々な試験方法や品質基準が定められています。これには、密着性試験や表面粗さ測定、さらにはめっき層の厚さや硬さの評価方法が含まれます。JIS規格に従った試験と評価を行うことで、無電解ニッケルメッキの品質を一定の基準に保つことができます。記号については、特定のJIS規格番号や試験方法を指す記号が用いられ、これにより品質評価の基準や方法が明確にされます。

7. 無電解ニッケルメッキの問題点と解決策

7.1 錆びる、変色、剥がれの原因

環境条件や処理の不備により錆びることがあります。処理の不備で腐食が発生する場合には、メッキ液のpHや温度を適切に管理し、メッキ層の均一性と適切なリン含有量を保つことが重要です。さらに、後処理としてクロメート処理を施すことで、表面の耐食性を高めることが可能です。

 

無電解ニッケルメッキの変色は、メッキ層の酸化や硫化によって生じることが多いです。特に硫化水素などの硫黄化合物が存在する環境下では、メッキ層が黒変することがあります。また、剥がれの原因としては、基材表面の脂分や汚れを取り除く工程が不十分であることや、メッキ液の組成が不適切であることが挙げられます。

ピンホールは、メッキ層に小さな穴が開いている状態を指し、これが原因で基材が腐食しやすくなります。ピンホールの原因は、メッキ前の基材表面に残留する微小な異物や気泡が原因であることが多いです。シミは、メッキ液中の不純物が原因で生じることがあり、これによりメッキ層の外観が損なわれます。ピンホールとシミの問題を解決するためには、基材の洗浄を徹底し、メッキ液を定期的にろ過することが効果的です。また、メッキ液の組成を適切に保ち、不純物の混入を防ぐことも重要です。

7.2 環境への配慮

RoHS指令は、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限を定めたEUの指令です。無電解ニッケルメッキにおいても、この指令に従い、鉛、水銀、カドミウムなどの使用が制限されています。

 

無電解ニッケルメッキ液には、安定剤として鉛が使用されてきましたが、RoHS指令により、電子機器のメッキにおける鉛の使用が厳しく制限されるようになって以降、鉛を安定剤として使用しない無電解ニッケルメッキに切り替えが進んでおり、当社では無電解ニッケルメッキ、無電解ニッケルホウ素テフロン無電解複合メッキ黒色無電解ニッケルメッキ共に鉛フリー化が完了しております。

7.3 無電解ニッケルメッキの経済的側面

無電解ニッケルメッキは他の表面処理に比べて高価な傾向にあります。この価格の高さは、液管理の難しさと使用される薬品のコストだけの影響ではなく、無電解ニッケルメッキは化学反応を利用している関係上液の劣化が起こり、定期的にメッキ液を更新する必要があり、液の廃棄費用が追加で掛かることがコスト高の起因となります。

 

また、厚いメッキ層は耐久性を向上させますが、材料費が増加するため、用途に応じた最適なメッキ厚の選定が経済性に影響を与えます。

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Q&A

  • 純チタン2種(170×150 t 10mm)の製品にニッケルめっき可能でしょうか?
    純チタンへのニッケルめっき対応可能です。 ​サイズ的にも問題ございませんので、形状の詳細がわかる図面を送って頂けると幸いです。
  • 亜鉛ダイキャスト(亜鉛ダイカスト:ZnDC)素材にニッケルめっきを施したいのですが、対応可能でしょうか?
    亜鉛ダイキャスト素材へのニッケルめっきを直接処理することができないため、下地に銅メッキを5μm以上施した上のニッケルめっき となります。指定の膜厚などお聞かせ下さい。
  • ニッケルめっきを施したシャフト(SCM435)を一部追加工を施したのですが、一部ニッケルめっきが無くなってしまいました。 一部ニッケルめっきが無くなった箇所へニッケルめっきを施す事は可能でしょうか?
    形状によりますが、部分ニッケルめっき可能ですが、既存のニッケルめっきの上に再度ニッケルめっきを重ねても宜しければ全体的に 再度めっき処理を施させて頂いた方が意匠性、費用などの面から優位です。
  • 他社で処理しておりますニッケルめっき品で下地の銅めっきとニッケルめっきの層間で剥離が発生するものがあります。 考えられる原因は何でしょうか?
    考えられる原因としましては次の事が考えられます。 1.下地の銅めっき後の水洗水の汚れ 2.銅めっきからニッケルめっきに入るまでの時間が長い ​3.下地の銅めっき表面に光沢剤の薄い皮膜がついている いずれにしましても弊社にて一度試作処理させて頂ければ問題を解決できると思われます。
  • 鉄鋼材をバレルめっきにてニッケルめっきを行なっていますが、凹み部などに黄色のシミ(変色)が発生することがあります。 シミ(変色)の発生原因と対策を教えて頂けないでしょうか?
    鉄鋼製の製品をバレルでめっきを行なっているとの事で、凹み部にめっきが析出していないものと考えられます。 ニッケルめっきが析出していないことで素材のサビが発生しているのでは無いかとかんがえられます。 対策としましては、1回の処理量を減らして尚且処理時間を伸ばし全体的なニッケルめっきの膜厚を厚く処理することで緩和されるものと思われます。
  • 真鍮製品にニッケルめっきを施していますが、皮膜の欠陥により被覆されていない事を目視で判断することはできなでしょうか?
    真鍮製品に施したニッケルめっきが被覆されているか確認する方法としましては、純水700ml、アンモニア水700ml、25%トリクロル酢酸700ml、もしくは過硫酸アンモニウム50g/l、アンモニア水75ml/lの溶液に5分浸漬することで、ニッケルめっきの欠陥などにより真鍮素材が露出している箇所は溶液が青色に変化するため可視化しやすく判断が可能です。
  • ニッケルめっき浴(ワット浴)を使用してめっき処理を行なっていますが、pHが調整していないのに少しずつ下がって行きます。 一般的にpH調整で下げる事はあると思いますが、上げる事は少ないと思いますが適正な状態でしょうか?
    結論からお話しますと、適正な状態ではありません。 適正な状態ですとニッケルめっき浴の陽極のニッケルが溶解し、使用していない状態でも徐々にpHが上昇していく状態が正常な状態です。 ​pHが下がっていく原因としましては、ニッケルの陽極が少ない、もしくは前処理の酸が持ち込まれているのでは無いかと考えられます。
  • ニッケルめっきのpHを上げるには水酸化ナトリウムやアンモニア水は使わずに炭酸ニッケルや水酸化ニッケルなどを使っていると思いますが、ナトリウムイオンやアンモニウムイオンが有害であるためと言われましたが、ピット防止剤や光沢剤ではナトリウム塩が用いられていますが有害では無いのでしょうか?
    メッキ浴にナトリウムイオンやアンモニウムイオンが含まれますとメッキ皮膜が硬く、脆いメッキ皮膜となるためこれらの塩は使わないようになっていますが、ピット防止剤や光沢剤は添加量が少量であるため、影響が小さいと考えられます。
  • ニッケルめっきに非ろ波の整流器を検討しておりますが問題ありませんか?
    ろ波の必要性はありませんが、整流器の波形は全波がよく、半波ですとニッケルめっきにはおすすめできません。
  • 他社で処理しているニッケルめっき品ですが、時々めっき皮膜に割れが発生します。 突発的な不具合ですが、ニッケルめっき皮膜が割れる原因を教えて下さい。
    ニッケルめっき皮膜が割れが発生するということは、めっき皮膜が脆い事が原因かと思われます。 ニッケルめっき皮膜が脆くなる原因としましては、次の事が考えられます。 ①浴温が低すぎる。 ②pHが規格外になっている。 ③電流密度が高すぎる。 ​④光沢剤が過剰などが考えられますので処理されているメーカー様にこの辺りの 情報を開示して頂ければ再度弊社の方で問題が無いか確認させて頂きます。
  • 装飾クロムめっき(ニッケルクロムめっき:下地に光沢ニッケル)で白く曇る現象がでております。 また、つき周りも低下しておりますが考えられる原因は何でしょうか?
    クロムめっき液の不調が考えられますが、下地に使用している光沢ニッケルめっきとして考えられる原因としましては、光沢剤過剰によりクロムめっきの析出を阻害している事が考えられます。 弊社の方でめっき専業社様へのコンサルティング(課題解決)なども行っておりますので、必要でしたらご相談ください。
  • ニッケルめっきした製品にザラつきが発生しております。 原因としてはどのような事が考えられますか?
    ザラつきの原因は複数考えられます。 ①異物付着(メッキ液内に不純物が混入したものが付着) ②過剰な電流密度 ③素材起因のザラつき ​現物をお送り頂ければ弊社の方で確認させて頂きます。
  • ステンレス鋼にニッケルめっきを行う場合、ニッケルストライクが必要と言われましたが、なぜ直接ニッケルめっきが処理できないのでしょうか?また、ニッケルストライクとはなんでしょうか
    ステンレス鋼は鉄とニッケルとクロムが主成分の材料です。その主成分であるクロム成分が素材表面に濃縮し、不動態膜が形成されるためですが、この不動態化が通常のニッケルめっきの前処理工程では除去できず、密着低下の原因となります。 ​ニッケルストライクは塩酸をベースとしたメッキ浴で、塩酸中でクロム金属は不動態化できないため、塩酸ベースのニッケルストライクで処理を行うと、不動態化を除去しながらニッケルめっきを処理することができ、密着性を確保することが可能です。
  • ニッケルめっきとクロムめっきですが、素人では見分けが難しいのですが、簡単に見分ける方法はありませんか?
    簡単に見分ける方法としましては、息を吹きかける、シャワーを掛ける、日の光で確認するなどがあります。 ​いずれもニッケルめっきは黄色っぽく、クロムめっきは白っぽくなりますので見分けができると思います。
  • 柔軟性のあるニッケルめっきが欲しいのですが、対応可能でしょうか?
    無光沢ニッケルめっきでニッケル濃度、pH、温度、不純物などを調整することで、 比較的柔らかい(硬度HV150程度)のニッケルめっき皮膜を形成することが可能です。
  • 亜硫酸ガス雰囲気中で使用される部品がありますが、このような腐食性の大きい雰囲気中ですが、ニッケルめっきを施す事で使用可能でしょうか?
    亜硫酸ガス雰囲気での使用との事ですが、亜硫酸を含む腐食液を用いて行われるケスタニッチ法試験にて2層のニッケルめっきを評価した場合、下層の半光沢ニッケルめっきまで腐食されることから、亜硫酸ガス雰囲気での長期使用は難しいと思われます。 2層ニッケルめっきではなく、3層(トリニッケルめっき)や半光沢ニッケルめっきの下地に銅めっきを施す3層めっきにて使用できる可能性がありますのでご評価頂けると幸いです。
  • 3層めっき(トリニッケルめっき)はめっきの層を積層(ミルフィーユのように重ねる)することで耐食性が上がる事はなんとなくわかるのですが、母材から半光沢ニッケルめっき→トリニッケルめっき→光沢ニッケルめっきの組み合わせでなぜ耐食性が向上するのでしょうか?
    最下層の半光沢ニッケルめっき(メッキ皮膜硫黄含有率0%)と最上層の光沢ニッケルめっき(メッキ皮膜硫黄含有率0.05%)との中に、硫黄含有率の多いトリニッケルめっき(メッキ皮膜硫黄含有率0.1~0.2%)を施すことで、ニッケルめっきが腐食される際に局部電池作用が発生し、トリニッケルめっきが優先的に溶解するため最下層の半光沢ニッケルめっきが守られ結果的に耐食性の向上に繋がります。
  • ABS樹脂(3Dプリンター整形品)材料に装飾のニッケルクロムめっきを施したいのですが、試作~対応可能でしょうか?
    ABS樹脂(めっきグレード)であれば処理対応可能ですが、3Dプリンターでの成形品との事ですのでスポンジで製作したような隙間の沢山ある製品となり、めっきの前処理液が成形品の隙間に残留しめっきの析出を阻害してしまうことが懸念されます。 外観の意匠性目的だけであれば銀鏡皮膜『クリアシルバ』をおすすめしております。 こちらにABS樹脂(3Dプリンター成形品)への処理品の画像を掲載しておりますので参考にして頂けると幸いです。
  • 鉄素材(S45C)にニッケルめっきが処理されていますが、剥離して頂き追加工をしたいのですが現状のめっき皮膜を剥離する事は可能でしょうか?
    鉄素材(S45C)に処理されたニッケルめっき(ニムフロン、カニフロン)の剥離可能です。 ​剥離の際には剥離液を使用してめっきを剥離しますが、多少素材が荒れてしまうので注意が必要となります。
  • CrCu(クロム銅)にニッケルめっき(5~10μm)処理可能でしょうか?
    クロム銅へのニッケルめっき処理可能です。 ​製品の形状、サイズや数量など教えて下さい。
  • アルミニウム素材(A5052)にニッケルめっきが施されている製品がありますが、ニッケルめっき皮膜を剥離することは可能でしょうか?素材を極力粗さずできますか?
    アルミ素材を極力粗さずニッケルめっきを剥離対応は可能です。 ​サイズ的に制限がございますので、製品サイズ等を教えて下さい。
  • SS41(一般構造用圧延鋼材)材にニッケルめっき10μm処理可能でしょうか?
    SS41はSS400の旧規格ですが、SS41にニッケルめっき(電解ニッケルめっき)10μm処理対応可能です。 ​電気めっきは膜厚に多少ばらつきが発生致しますので、寸法精度など必要な場合には無電解ニッケルめっきをお勧め致します。
  • アルミニウム素材(A5052)に電解ニッケルめっきを施したいのですが対応可能でしょうか?
    アルミニウム素材への電解ニッケルめっきですが、直接処理ができませんので下地に無電解ニッケルめっき(カニゼンめっき)を施した上であれば処理可能です。 ​膜厚などの詳細は別途ご相談できればと思います。
  • チタン合金Ti-6Al-4V(α-β型)に電解Niめっき10μm処理対応可能でしょうか?
    チタン合金に電解Niめっきは処理対応可能です。 ​大きさに制限がございますので、図面など大きさわかる資料を送って頂ければ確認させて頂きます。
  • チタン合金Ti-6Al-4V(α-β型)に処理されております電解Niめっきを剥離することは可能でしょうか?
    チタン合金Ti-6Al-4V(α-β型)素材上の電解Niめっきを剥離可能です。
  • HPM77(快削プリハードン鋼)にニッケルめっきを施したいのですが対応可能でしょうか?
    HPM77にニッケルめっき対応可能です。 製品のサイズや形状の判る図面やイラストを送って頂ければ処理の方法を​確認させて頂きます。
  • プリハードン鋼に黒色ニッケルめっきの対応は可能でしょうか? 膜厚5μm指定です。
    プリハードン鋼へ黒色ニッケルめっき処理可能です。 膜厚5μmとのことですが、黒色ニッケルめっきの膜厚は1μm以下と薄いため、膜厚を稼ぐ必要がある場合には下地に光沢ニッケルめっきを施させて頂きトータルで5μmに調整可能です。
  • アルミナセラミック(アルミナ99.5%)にニッケルめっきは処理可能でしょうか?
    アルミナセラミックにニッケルめっき処理可能です。 アルミナセラミックに直接ニッケルめっきは施すことができませんので、下地に無電解ニッケルめっきを施した後、 電解ニッケルめっきでの対応となります。
  • コバール素材へ意匠性目的のための光沢ニッケルめっきを検討しております。 コバール材へのニッケルめっき処理可能でしょうか?
    コバール材への光沢ニッケルめっき処理可能です。 製品の形状、サイズや数量など教えて下さい。
  • サーメット(cermet)金属の炭化物や窒化物など硬質化合物の粉末を金属の結合材と混合して焼結した複合材料に ニッケルめっきを施し脆さを軽減出来ないかと考えております。 サーメット材にニッケルめっきは可能でしょうか?
    実際に処理を施させて頂き脆さなどのご評価を頂く必要がございますが、サーメット材へのニッケルめっき処理可能です。 ​試作処理など行いながらご評価頂けると幸いです。
  • 銅とモリブデンが接合されている製品の防錆目的でニッケルめっきを検討しております。 銅素材とモリブデン共にニッケルめっきを施したいのですが処理可能でしょうか? 密着性を気にしております。
    銅素材とモリブデン素材接合品に対し同時にニッケルめっきを施す事が可能です。 ​適切な前処理を施しますので密着性も問題なく対応可能です。
  • 銅素材とタングステンが接合されている製品にニッケルめっきを検討しております。 銅素材とタングステン共にニッケルめっきを施したいのですが処理可能でしょうか?
    銅素材とタングステン素材が接合された状態でニッケルめっきを施す事が可能です。 ​適切な前処理を施しますので密着性も問題なく対応可能です。
  • コバール(鉄、ニッケル、コバルトを主成分にした合金)に導電性目的のためにニッケルめっきを施す事は可能でしょうか?
    コバール素材へのニッケルめっきに関してですが処理実績もありますが、処理可能です。 ​指定の膜厚などお聞かせ下さい。
  • 窒化アルミナセラミックス(AIN)にニッケルめっきを施したいのですが可能でしょうか?
    窒化アルミナセラミックス(AIN)へのニッケルめっきにつきまして過去に処理実績がございますが、材料により反応が異なることから先行で試作処理を施させて頂き、処理可能かの確認テストが必要でございます。 端材で結構ですので条件出しに使用してもいい材料をご用意頂けるとテスト条件確認可能です。
  • 亜鉛ダイキャスト(ZnDC)にニッケルめっきを施したいのですが対応可能でしょうか?
    亜鉛ダイキャストにニッケルめっき関しまして過去に処理実績がございます。 特に問題なく処理可能ですが、下地に銅めっき5μm以上が必須となります。 製品の形状などわかる資料を送って頂けると幸いです。
  • ベリリウム銅(BeCu)にニッケルめっきは可能でしょうか? 他社で処理して頂いたのですが、密着性が悪く剥がれが発生致します。
    ベリリウム銅(BeCu)は特殊な前処理を行わないと密着の悪いめっき処理となります。 弊社では複数のクライアント様よりベリリウム銅素材へのメッキ処理をご依頼頂き対応致しておりますので、 ​ご安心してご依頼頂ければと思います。
  • 高速度鋼にニッケルめっきを施したいのですが、対応可能でしょうか?
    高速度鋼にニッケルめっき(電解ニッケルめっき)対応可能です。 指定の膜厚などがございましたらご連絡下さい。
  • ステンレス(SUS304)につや消しの電解ニッケルめっきを施すことは可能でしょうか?
    ステンレスにつや消し電解ニッケルめっきの対応可能です。 ​つや消しの方法はショットブラストでのつや消し、めっき液でのつや消しなど選んで頂く事が可能です。
  • 小さなボタンのような形状の鉄素材の製品ですが、数量も多く吊るし用の穴なども無いのですが、電解のニッケルめっきは 可能でしょうか?
    小さなボタン形状との事ですのでバレルめっき(専用の容器に入れてメッキ処理)にて対応が可能でございます。 バレルめっきは一度に大量の製品が処理可能なため、ラック(一つ一つ製品を保持して処理)処理に比べ安価にできるメリットが ございます。 デメリットとしましては、製品同士が容器の中でぶつかりあうため、傷や打痕がついてしまいます。
  • 亜鉛鋼板へのニッケルめっき(装飾目的)を検討しておりますが、製品サイズが大きいのですが対応可能でしょうか? 寸法1800×1000 t0.4mm
    亜鉛鋼板へのニッケルめっきの対応可能です。 亜鉛を一旦除去してからの処理となりますが、一連の流れで亜鉛を剥離~めっき処理まで行いますので、腐食などは発生いたしませんのでご安心下さい。 サイズ的な所ですが、1800×1000mmであればギリギリのサイズとなりますが対応可能です。 ​製品が大きいため板の中央部などがニッケルめっきの光沢が鈍くなる可能性がございますのでご了承下さい。 ​
  • ステンレス鋼(SUS304)に処理されておりますニッケルめっきを剥離することは可能でしょうか?
    ステンレス鋼(SUS304)素材上のニッケルめっき剥離可能です。
  • ABS樹脂に導電性を持たせる目的でニッケルめっきを検討しております。 処理可能でしょうか?
    ABS樹脂へのニッケルめっき対応可能です。 ABS樹脂へ直接電解のニッケルめっきは処理できませんので、下地に無電解ニッケルめっきが必要となります。

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